伝記映画とは歴史上の偉人、過去の偉大な著名人など、実在の人物の生涯もしくは半生を描いた映画のこと。人の生涯や半生が実在する人物の話のため、フィクション作品とはまた違った楽しみ方があります。
多くの人々に影響を与えたり、歴史上で多大な功績を挙げたりと一見輝かしい人生を送っていそうに思えますがその裏で、苦悩や葛藤を繰り返してるその姿に感動すら覚えますよね。
そこで実在の人物の半生を描いたおすすめ名作伝記映画に焦点を当てて独断と偏見で選び、ランキング形式でおすすめ映画20作品をご紹介したいと思います。
実在の人物の半生を描いたおすすめ名作伝記映画ランキング20選
20位 ボブ・マーリー:ONE LOVE
ラシャーナ・リンチ
ジェームズ・ノートン
アンソニー・ウェルシュ
トシン・コール
ステファン・A・D・ウェイド
アストン・バレット・Jr.
デヴィッド・カー
マイケル・ガンドルフィーニ
『ボブ・マーリー:ONE LOVE』は、レゲエの先駆者となったジャマイカのシンガーソングライター・ミュージシャン、ボブ・マーリーの生涯を描いた映画。
特に1970年代半ばの名声獲得から1981年に亡くなるまでを描いており、ラスタファリ運動と妻・リタとの関係性に焦点が当てられ、ジャマイカでは初日興行収入が歴代最高の記録しました。
19位 ルディ・レイ・ムーア
ウェズリー・スナイプス
キーガン=マイケル・キー
マイク・エップス
クレイグ・ロビンソン
タイタス・バージェス
ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ
『ルディ・レイ・ムーア』は、2008年に亡くなったコメディアン、ルディ・レイ・ムーアをエディ・マーフィが演じ大きな話題となりました。ルディ・レイ・ムーアが主演を務めた1975年の映画『ドールマイト』の制作過程を中心に描いており、米国では一部限定で先行公開され、Netflixで公開されました。
第77回ゴールデングローブ賞では、ミュージカル・コメディ部門の最優秀作品賞にノミネートされ、エディ・マーフィはミュージカル・コメディ部門の最優秀男優賞にノミネートされました。『ドールマイト』本編のシーンもまるまる演じているシーンもあるので、見比べてみるのも新しい一つの楽しみ方になっています。
18位 雪山の絆
マティアス・レカルト
アグスティン・パルデッラ
『雪山の絆』は、1972年アンデス飛行機事故の生存者16人全員の証言を記録した同名の著書を映画化したもの。
1972年、チリのサンティアゴへラグビーチームを輸送するためにチャーターされたウルグアイ空軍機571便は予期せぬアクシデントに見舞われてアンデス山脈の中心部に墜落。生存者は乗員・乗客45名のうちわずか16名。一人の生涯を映画化するものではなく、実際に起こった事故の証言が基になっています。
劇場公開後すぐにNetflixで配信され、リアルすぎる描写もあるんですがアカデミー賞には国際長編映画賞(スペイン代表作)とメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされました。
17位 オッペンハイマー
日:2024
エミリー・ブラント
マット・デイモン
ロバート・ダウニー・Jr.
フローレンス・ピュー
ジョシュ・ハートネット
ケイシー・アフレック
ラミ・マレック
ケネス・ブラナー
『オッペンハイマー』は、世界初の原子爆弾を開発した「原爆の父」として知られる理論物理学者ロバート・オッペンハイマーの生涯を描いた伝記映画。
クリストファー・ノーラン監督作品で、日本では全米公開から8か月後に公開。日本側の視点とアメリカ側の視点、その他の国の視点など評価がバラバラなんですが、観ておいていい映画だと思います。
16位 アメリカン・ハッスル
日:2014
ブラッドリー・クーパー
エイミー・アダムス
ジェレミー・レナー
ジェニファー・ローレンス
『アメリカン・ハッスル』は、1970年代にアトランティックシティで起きた収賄スキャンダル「アブスキャム事件」が基となった映画。
メル・ワインバーグという実在の詐欺師が主人公のモデルになっていて、伝記映画なのか難しいところですが実際の事件を描いているというのと、海外では伝記映画という分類になっているようなので含めてみました。
FBIに逮捕された詐欺師が自由と引き換えにオトリ捜査への協力を強いられ、カジノ利権に群がる政治家やマフィアをわなにハメるという話です。
15位 グリーンブック
日:2019
ジョナサン・キング
オクタヴィア・スペンサー
クワミ・L・パーカー
ジョン・スロス
スティーヴン・ファーネス
『グリーンブック』は、アフリカ系アメリカ人のピアニスト、ドン・シャーリーと、シャーリーの運転手兼ボディガードを務めたイタリア系アメリカ人の用心棒で後に俳優となったトニー・“リップ”・ヴァレロンガが1962年にディープサウスを旅行した実話に基づいて作られた映画。
リップとシャーリーへのインタビュー、およびリップが妻に宛てた手紙などを基に書かれています。
14位 ソーシャル・ネットワーク
日:2011
アンドリュー・ガーフィールド
ジャスティン・ティンバーレイク
アーミー・ハマー
ジョシュ・ペンス
ブレンダ・ソング
ラシダ・ジョーンズ
ジョゼフ・マゼロ
マックス・ミンゲラ
ルーニー・マーラ
『ソーシャル・ネットワーク』は、SNSサイトのFacebookを創設したマーク・ザッカーバーグらを描いた伝記映画。
Facebookはもともとハーバード大学の学生専用コミュニティサイトで、そこからFacebookとして規模を拡大していく過程から事業として行っていくまでの過程が非常に面白い作品です。
今も活躍している人物の半生を描いて大ヒットした伝記映画というのはなかなかないと思います。
13位 エルヴィス
トム・ハンクス
オリヴィア・デヨング
『エルヴィス』は、エルヴィス・プレスリーの生涯を描いた伝記映画。2014年から動きはじめてるんですが、エルヴィス・プレスリーの映画ということもあるせいか、公開まで実に8年という時間を費やしています。
オースティン・バトラーの演技力はすさまじく、歌声もかなりのもの。アーティストの伝記映画は音楽も楽しめるのが魅力のひとつだと思うので、存分に楽しめるものになっていると思います。
12位 ハドソン川の奇跡
アーロン・エッカート
ローラ・リニー
『ハドソン川の奇跡』は、2009年に発生したUSエアウェイズ1549便不時着水事故が基となっており、主演のトム・ハンクスがUSエアウェイズ1549便の機長チェスリー・サレンバーガーを演じています。
原題は機長の通称である「サリー(Sully)」ですが、邦題となった「ハドソン川の奇跡」は当時ニューヨーク州知事であったデビッド・パターソンが乗員・乗客全員が無事に生還したこの出来事に34丁目の奇跡に因んでつけた言葉として知られています。
11位 イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
日:2015
キーラ・ナイトレイ
マシュー・グッド
ロリー・キニア
チャールズ・ダンス
マーク・ストロング
『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』は、イギリスの数学者、アラン・チューリングの伝記『Alan Turing: The Enigma』を基に描かれた伝記映画。
主にアラン・チューリングがブレッチリー・パークで働いていた頃の話が軸になっていて、人生の最後までが描かれています。この映画でのベネディクト・カンバーバッチの演技は大絶賛されました。
10位 ジャンヌ・ダルク
ジョン・マルコヴィッチ
フェイ・ダナウェイ
ダスティン・ホフマン
『ジャンヌ・ダルク』は、オルレアンの救世主となったジャンヌ・ダルクの誕生から処刑までをリュック・ベッソン監督、ミラ・ジョボヴィッチ主演で描いた伝記映画。
15世紀、イギリスとの戦争に明け暮れるフランスに突如現れた17歳の少女、ジャンヌ・ダルク。
「神の声を聞いた」というジャンヌは、国王の元を訪れ自分にフランス軍を指揮させてくれるよう懇願し、烈火の如く激した彼女は、劣勢のフランス軍を率いて奇跡的な勝利を収めるも、栄光も束の間、彼女には過酷な運命が。
9位 グレイテスト・ショーマン
日:2018
ザック・エフロン
ミシェル・ウィリアムズ
レベッカ・ファーガソン
ゼンデイヤ
キアラ・セトル
『グレイテスト・ショーマン』は、19世紀に活躍した興行師、P・T・バーナムの成功を描くミュージカル映画。
19世紀半ばのアメリカ。幼馴染の妻と子供たちを幸せにすることを願い、挑戦と失敗を繰り返してきたP.T.バーナムは、ついにオンリーワンの個性を持つ人々を集めたショーをヒットさせ、成功をつかむも…。
文句なしのヒット作で何度でも見られる非常に面白い作品だと思います。
8位 バック・ビート
イアン・ハート
ゲイリー・ベイクウェル
クリス・オニール
シェリル・リー
スコット・ウィリアムズ
ポール・ダックワース
ジェニファー・イーリー
『バック・ビート』は、ビートルズの初期メンバーであるスチュアート・サトクリフの生涯を描いた作品。
スチュアート・サトクリフとジョン・レノン、そしてドイツ人の女性写真家でありスチュアートのガールフレンドであったアストリッド・キルヒヘルの3人の関係に焦点を合わせられて進んでいきます。
ビートルズの伝記作品ではないので、ジョン・レノンやポール・マッカートニーが脇役になってるのも少し複雑な感じもしますが、映画を見始めたらそんなことは忘れちゃうくらい引き込まれます。
おすすめしたい作品ではあるものの、どのサブスクでも配信されていないのが難点。中古DVDなどがあるようだったら90年代の作品なので激安だと思います。
7位 ボヘミアン・ラプソディ
ルーシー・ボイントン
グウィリム・リー
ベン・ハーディ
ジョゼフ・マゼロ
エイダン・ギレン
トム・ホランダー
アレン・リーチ
マイク・マイヤーズ
『ボヘミアン・ラプソディ』は、イギリスのロックバンド・クイーンのボーカルだったフレディ・マーキュリーに焦点を当て、バンドの結成から1985年に行われた「ライヴエイド」でのパフォーマンスまでを描いた伝記映画。
内容が若干事実と異なる構成になっている事が公開時賛否もありましたが、そんなことは気にならなくなるほど面白い作品だと思います。
6位 チャーリー
日:1993
ジェラルディン・チャップリン
ダン・エイクロイド
モイラ・ケリー
アンソニー・ホプキンス
『チャーリー』は、映画俳優、映画監督、コメディアン、脚本家、映画プロデューサー、作曲家として有名な喜劇王チャーリー・チャップリンの生涯を描いた伝記映画。
演者がとにかく豪華で、チャップリンをロバート・ダウニー・Jrが務め、ハンナ・チャップリン役は孫のジェラルディン・チャップリンが務め、他にもダン・エイクロイド、アンソニー・ホプキンス、ケヴィン・クライン、ダイアン・レイン、さらにミラ・ジョヴォヴィッチまで出演しています。
5位 英国王のスピーチ
ヘレナ・ボナム=カーター
ジェフリー・ラッシュ
ガイ・ピアース
ティモシー・スポール
『英国王のスピーチ』は、吃音に悩まされたイギリス王ジョージ6世と、その治療にあたったオーストラリア(大英帝国構成国)出身の平民である言語療法士ライオネル・ローグの友情を史実を基に描いた作品。
ライオネル・ローグに関する記録がほとんど手に入らなかったため脚本を書き始めてから公開までに30年以上もの期間を要したそう。第83回アカデミー賞で作品賞など4部門を受賞するほど評価の高い映画になっています。
4位 ウルフ・オブ・ウォールストリート
日:2014
ジョナ・ヒル
ジャン・デュジャルダン
ロブ・ライナー
ジョン・バーンサル
カイル・チャンドラー
マーゴット・ロビー
ジョン・ファヴロー
マシュー・マコノヒー
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は、元株式ブローカーのジョーダン・ベルフォートをモデルとしたコメディ映画。ウォール街でのできごとをコミカルに描いてて非常に面白い作品です。
一見複雑に感じる話ですし、179分と少し長めなのですがこういったジャンルが好きな方にはドンピシャではまること間違いなしだと思います。
レオナルド・ディカプリオの演技の振り幅にも驚かされる作品ですね。
3位 チェ 28歳の革命・チェ 39歳 別れの手紙
ベンジャミン・ベニテス
ジュリア・オーモンド
フランカ・ポテンテ
アルマンド・リエスコ
クリスティアン・メルカド
カタリーナ・サンディノ・モレノ
デミアン・ビチル
ロドリゴ・サントロ
サンティアゴ・カブレラ
エドガー・ラミレス
ルー・ダイアモンド・フィリップス
ジョアキム・デ・アルメイダ
マット・デイモン
『チェ 28歳の革命』、『チェ 39歳 別れの手紙』は、革命家チェ・ゲバラの半生を描いた、2008年のアメリカ・フランス・スペインの合作伝記映画。あまりにも長時間になってしまったため2部作に分けられた作品です。
『チェ 28歳の革命』ではフルヘンシオ・バティスタによる独裁政権をフィデル・カストロと共に倒すキューバ革命までが描かれ、『チェ 39歳 別れの手紙』ではボリビアでの敗北と処刑までが描かれています。
チェ・ゲバラの伝記映画はいくつかありますが、ベニチオ・デル・トロの演技力は抜群。映画としても、特にラストの銃弾に倒れるシーンのカメラワークが最高にいい作品です。
2位 シド・アンド・ナンシー
日:1988
クロエ・ウェッブ
ドリュー・スコフィールド
デイヴィッド・ヘイマン
トニー・ロンドン
ペリー・ベンソン
「シド・アンド・ナンシー」は、セックス・ピストルズのベーシストであったシド・ヴィシャスと彼の恋人であったナンシー・スパンゲンのラブストーリーが描かれた映画。
ゲイリー・オールドマンはこの映画で一気に知名度を上げました。80年代の作品なので世代的にも30代以上の方は観たことがあるかもしれませんが、若い方はシド・ヴィシャスを知らない方もいるかもしれません。
1回見たら一生記憶に残る映画になるはずですので、とてもおすすめしたい作品なのですが、こちらもサブスク配信がなく…。中古DVDショップなどで偶然発見したら、是非手に取ってみてほしいです。
1位 Ray/レイ
日:2005
ケリー・ワシントン
レジーナ・キング
クリフトン・パウエル
ボキーム・ウッドバイン
ハリー・レニックス
アーンジャニュー・エリス
シャロン・ウォーレン
カート・フラー
デヴィッド・クラムホルツ
カーティス・アームストロング
リチャード・シフ
リック・ゴメス
『Ray/レイ』は、レイ・チャールズの伝記映画で、文句無しの1位とさせて頂きました。
ジェイミー・フォックスはこの映画でアカデミー主演男優賞を受賞しただけのこともあって、もうレイ・チャールズそのものです。
デビューからスターになるもその裏で抱える様々な問題と対峙する姿は必見です。
感想とまとめ
伝記映画とドキュメンタリー映画の境界線が非常に難しく、「伝記」という言葉の意味がある(実在の)個人の生涯の事績を書きつづったものを指しているので、本人のドキュメンタリー映画なども伝記映画と括られる場合があります。
エミネムの『8 Mile』やマイケル・ジャクソンの『This is It』などがわかりやすい例ですが、これらは自伝映画やドキュメンタリー映画という括りの方がわかりやすいと思うんですよね。
本人が出演せずに俳優が主演を務めるのが一般の伝記映画と言ってもいいのかなと思い、この2作品は対象から外しました。
さて、音楽関連の作品に少し偏ってしまったかなとも思いますが、全ておすすめしたい作品なのでこういった形になりました。
しかし今後も注目したい伝記映画は多く公開予定ですので、今後このランキングも変わるかもしれません、その時は更新していこうと思います。
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