【おすすめ映画】1回見ただけで鮮明に記憶に残る「ヒドゥン」のあらすじ・キャスト・ネタバレ・トリビア・感想・評価・レビューなど徹底解説
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今回ご紹介するのは、1987年に公開されたアクションホラーSF映画「ヒドゥン」。
マイケル・ヌーリー、カイル・マクラクランがダブル主演した映画で、1988年第16回アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭グランプリを獲得した名作です。
しかし、伝説的な駄作映画「ヒドゥン2」という続編についてはここでは一切触れません。
「ヒドゥン」は映画好きにはたまらない名作で、私も何十回と見た作品です。
名作にもかかわらず定額動画配信サービスでは見つけられず、見たいなぁともやもやしている方も多いのではないでしょうか。
ヒドゥンが好きな方も、まだ1度も見たことがないという方も、この映画の魅力が伝わればいいなと思っています。
それでは、ヒドゥンのあらすじやキャスト、トリビア・感想・評価・レビューやおすすめしたいポイントなど、その概要をネタバレ満載でご紹介したいと思います。
目次
【おすすめ映画】「ヒドゥン」のあらすじ・キャスト・トリビア・感想・評価・レビューなど徹底解説
① 「ヒドゥン」のあらすじ
舞台はロサンゼルス。銀行強盗のシーンから始まります。
ロス市警刑事トム・ベックは、カーチェイスの末、凶悪殺人犯を逮捕しますが、いくら調査しても犯人のデヴリーズは平凡な常識人であったという証言しか得られず困惑します。
そんなとき、ロイド・ギャラガーと名乗るFBI捜査官が訪ねてきて強引に捜査に介入してきます。
ギャラガー曰くこれは連続した事件で次の事件がまた起きると言い、実際同様の凶悪事件が発生します。
一見関連性のない事件なのにギャラガーだけが何かを理解しているようでベックは遂にギャラガーを問いただすと、一連の事件はすべて同一犯によるものであり、自分も犯人も同じ異星人だと告白します。
② 「ヒドゥン」のキャスト
役名 | 俳優 |
---|---|
ロイド・ギャラガー ロバート・ストーン アルハーグ Agent Lloyd Gallagher Robert Stone Alhague | カイル・マクラクラン Kyle MacLachlan |
トーマス・ベック(トム・ベック) Det. Thomas Beck | マイケル・ヌーリー Michael Nouri |
サンチェス Det. Sanchez | リチャード・ブルックス Richard Brooks |
ブレンダ・リー Brenda Lee Van Buren | クローディア・クリスチャン Claudia Christian |
ジャック・デヴリーズ Jack DeVries | クリス・マルケイ Chris Mulkey |
ジョナサン・ミラー Jonathan P. Miller | ウィリアム・ボイエット William Boyett |
ホルト上院議員 Senator Holt | ジョン・マッキャン John McCann |
ジョン・マスターソン Lt. John Masterson | クラレンス・フェルダー Clarence Felder |
エド・フリン警部補 Lt. Ed Flynn | クルー・ギャラガー Clu Gulager |
クリフ・ウィリス Det. Cliff Willis | エド・オロス Ed O'Ross |
スタット捜査官 Agent Stadt | スティーヴ・イースティン Steve Eastin |
バーバラ・ベック Barbara Beck | キャサリン・キャノン Katherine Cannon |
ブレム Brem | ラリー・シーダー Larry Cedar |
車のセールスマン Ferrari Salesman | ジェームズ・ルイージ James Luisi |
マイケル・バックレー Michael Buckley | フランク・レンズーリ Frank Renzulli |
囚人 prisoner | ダニー・トレホ Danny Trejo |
キャロル・ミラー senator's assistant | リン・シェイ Lin Shaye |
レコード店店員 Record Store Clerk | マーク・エドワード・モランテ Mark Edward Morante |
ロバーツ巡査 Roberts | ブランスコム・リッチモンド Branscombe Richmond |
エディ Eddie | デュアン・デイヴィス Duane Davis |
ジュリエット・ベック Juliet Beck | クリスティン・クレイトン Kristin Clayton |
③ SF映画でありながら現実的すぎる設定でオープニングからおもしろい
「アクションホラーSF」というジャンルで括られながらも、アメリカのロサンゼルスで連続凶悪殺人事件を追い刑事、という設定がサスペンスに近い要素になっていて、非常にリアリティがあります。
FBI捜査官ロイド・ギャラガーは既に亡くなっていて、異星人が乗り移っているという設定でしたが、最後まで本来の姿は晒していないですし、連続凶悪殺人事件の犯人でもある寄生体はSF感のあまりない生き物で、それが余計おもしろさを掻き立てます。
丁度オープニングの動画がありましたのでご覧ください。
白黒映像で銀行で銃を乱射して強盗。
そしてニコッと笑いながら防犯カメラに発砲。
恐さと何が起きるのかっていう興味が同時に起こり、オープニングから見入ってしまう最高の出だしだと思います。
何度も見てる映画を見る時って最初を見逃しがちですが、「ヒドゥン」は最初からエンジンがかかっている作品なので、しっかり最初から見ようと思える作品です。
そしてこの映画を強くおすすめしたい最大の要素は「短編ドラマのような構成と80年代の空気が醸し出す完成度」にあると思っています。
「寄生体が人間の体へ寄生し、事件を起こし、トム・ベックとロイド・ギャラガーが追う」
これを何度も繰り返すので、連続ドラマを見ているような感覚に陥ります。
見終わると何時間もの長編映画でも見たのかと思うほどなんですが、この映画、たったの95分なんです。
見応えがあるので95分なのにボリュームがあって「映画をじっくり見たい」ときには非常におすすめしたい作品のひとつです。
そしてもし今後「ヒドゥン」がリメイクされたとしても、この映画ほど面白くは出来ないでしょう。
そのくらいSF要素、サスペンス要素、アクション要素のバランスが絶妙なんです。
そして80年代の映画だからこそできるストレートな描写や画質、これらもおもしろさをより上げてくれるポイントだと思います。
もしいい脚本ができても、画質が良すぎて例えば寄生体がCGで描かれてしまうようであれば、リアリティが欠如してしまい、サスペンス要素は確実にうすまっておもしろくなくなると思います。
また異星人の裏設定がうすいのに感じさせない部分もこの映画の魅力のひとつと言えるかもしれません。
ロイド・ギャラガーはアルタリア星人で元来の名前はアルハーグと言う設定があります。
しかしそれ以上の設定はありません。
寄生体についても、その正体についての詳しい描写もなければ、どうやって地球に来たかの説明はありません。
しかし全体のバランスがあまりにも絶妙なため、そういった疑問を抱く前に次々とストーリーが展開していきます。
これがもし内容のうすい映画だったら、そういった疑問ばかりが浮かびあがって駄作になっていたでしょう。
「ヒドゥン」についてはそんな裏設定のうすさを感じさせません。
④ ヒットの要因はトム・ベックとロイド・ギャラガーのコンビ設定
トム・ベックからすると、まるで接点のない殺人事件に、ロイド・ギャラガーが強引に捜査に介入してくるため、混乱します。
ロイド・ギャラガーが実は異星人だと打ち明けられてからの演技もすばらしくリアリティに溢れ、それを受け入れざるを得ない状況に流されていく姿もリアル。
しかも浮世離れしたロイド・ギャラガーのキャラ作りもあって、トム・ベックというキャラが余計際立ち、絶妙すぎるリアルさが出てるんです。
トム・ベックを演じたマイケル・ヌーリーは1969年に映画デビューしており、キャリア18年目でこの「ヒドゥン」の主演の一人に抜擢されました。
素晴らしい俳優です。
おそらくマイケル・ヌーリーだからこそトム・ベックというキャラが出来上がったんだと思います。
トム・ベックの演技とは反対に、ロイド・ギャラガーを演じたカイル・マクラクランの演技も素晴らしいんです。
演技をしない演技といいますか、ロイド・ギャラガーは基本的に感情を顔に出さないため、コンビ感のバランスも最高にいいです。
この映画がお好きな方はそこが魅力のひとつだと思ってらっしゃる方も多いと思います。
⑤ 次々と寄生されるキャラクターの演技もすばらしい
次々と寄生していく寄生体ですが、唯一女性で、ストリッパーのブレンダ・リーに寄生した時には、女性特有の体が新鮮だったのか、色々遊びます。
最後には撃たれに撃たれまくって寄生体は犬に寄生します。
またクリフ・ウィリスはトム・ベックの相棒として割と最初の方から出ていますが、最後には寄生されてしまいます。
クリフ・ウィリス役のエド・オロスは寄生される前と後の2役演じたようなもので、陰の主役と言ってもいい程存在感がありました。
実際に海外でのポスターでは誰よりもエド・オロスがでかでかと写っているんです。
⑥ トム・ベックは結局死ぬ
ラストシーンでは一見、ロイド・ギャラガーが死んでトム・ベックが回復しているように見えますが、よーく考えると、ロイド・ギャラガーはもともと死んでますし、ロイド・ギャラガーに寄生していたアルタリア星人のアルハーグが、死んでしまったトム・ベックに寄生しただけです。
つまり、アルハーグは寄生体を殺し、復讐に成功して一件落着なんですが、人間側から見れば、刑事が殺されまくって、主演のトム・ベックも実質死んでいるわけで、一件落着というにはどこか腑に落ちない終わり方になっているんです。
その違和感がホラー映画としての要素なんだと思います。
⑦ 「ヒドゥン」は「ロボコップ」に勝った映画
1988年に行われた第16回アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭にて「ヒドゥン」は見事グランプリを受賞しました。
この第16回アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭、同年に公開された映画「ロボコップ」が受賞すると見る専門家が多く、その中で受賞しているんです。
他にも、監督を務めたジャック・ショルダーは、ポルト国際映画祭でベスト・ディレクター賞を受賞、マイケル・ヌーリーはシッチェス・カタロニア国際映画祭で男優賞を受賞、他にも受賞は逃したものの多くの賞にノミネートされています。
⑧ 「ヒドゥン」海外での評価
映画とテレビのレビューアグリゲーターであるRotten Tomatoes(ロッテン・トマト)での評価は27件のレビューに基づく78%もの前向きなレビューで6.91/10とまぁまぁ平均的な評価。
シカゴのロジャーエバートサンタイムズは、3/4星と評価しています。
ニューヨークタイムズのビンセント・キャンビー氏は、「映画は、ほとんどがロサンゼルスを通る自動車の追跡のシリーズですが、いくつかのユーモアもあります。」と批評。
⑨ 「ヒドゥン」日本での評価
Yahoo!映画での評価は242件のレビューで平均評価は4.3とかなり高い評価です。
映画.comでは7件とコメントも少なく、評価は3.3とこちらは良くない評価と言えます。
映画レビューサイトFilmarksでは359件のレビューで3.7と平均よりも高い評価を得ています。
日本では日曜洋画劇場などでテレビ放送されることもありましたので、好きな方にはかなり響く作品と言えるかもしれません。
⑩ 「ヒドゥン」のトリビア
・クローディア・クリスチャンは撮影中、プロップガンから爆発した素材が角膜を痛めてしまい、そのことがトラウマになってしまったのか、1993年の海外ドラマ「バビロン5」に出演した際に同様のシーンを撮影する際、トリガーを引くと、本能的に顔を背に向けてしまったそうです。
・マイケル・ヌーリーは同年公開された映画「リーサル・ウェポン」のマーティン・リッグス役のオファーがあったようですが断っています。このためリッグス役にはメル・ギブソンが抜擢されました。
・1991年に、ヒドゥンのような構成をまるまる引用した映画「ボディ・チェンジャー」が公開されました。
・ジャック・デヴリーズからジョナサン・ミラーに異星人が移動するシーンはストップモーションで撮影されています。異星人のモデルを口の中に詰め込む作業をしたときにジョナサン・ミラー役のウィリアム・ボイエットは口元を見る事ができず、結局うんざりして途中で撮影部屋を出て行ってしまったそうです。
・監督を務めたジャック・ショルダーは、シドニー・ルメット監督の犯罪映画にある警官のシーンからインスパイアされていると語っており、この作品は自身が監督した作品の中でも特にお気に入りの映画だそうです。
まとめと感想
「ヒドゥン」を見た事がある人で嫌いだっていう人はあんまりいないんじゃないでしょうか?
ただ「ヒドゥン2」を見た事がある人で嫌いだっていう人は結構いるかもしれませんけどね…。
しかし動画ストリーミングサービスがたくさんあるご時世で、「ヒドゥン」が見られるのは現在U-NEXTだけのようです。
もしこの記事をご覧になった方で印象的なシーンなどありましたら、是非コメントお待ちしてます。