- 少年と宇宙から来た友が織りなす、心温まる奇跡の物語!
- 自転車で夜空を駆け抜ける、映画史に残る名シーンは必見!
- スピルバーグ監督が描く友情と別れ――誰もが涙する感動の冒険!
- 家族愛とSFの魔法が融合した、不朽のファンタジー大作!
『E.T.(原題:E.T. The Extra-Terrestrial)』は、1982年のSF映画。
スティーヴン・スピルバーグが監督・脚本を務めた代表作でもあり、1993年公開の『ジュラシック・パーク』に抜かれるまでの11年近く、全世界の歴代興行収入1位を記録していた作品でもあります。
『E.T.』の作品情報
原題 | E.T. The Extra-Terrestrial |
監督 | スティーヴン・スピルバーグ Steven Spielberg |
脚本 | メリッサ・マシスン Melissa Mathison |
製作 | スティーヴン・スピルバーグ Steven Spielberg キャスリーン・ケネディ Kathleen Kennedy |
公開 | 米:1982/6/11 日:1982/12/4 |
上映時間 | 115分 |
興行収入(世界) | 7億9,291万ドル |
興行収入(日本) | 135億円 |
『E.T.』のキャスト
- エリオット・テイラー Elliott Taylor
- ヘンリー・トーマス Henry Thomas
心優しい少年で、E.T.と深い友情を築く物語の中心人物。 - メアリー・テイラー Mary Taylor
- ディー・ウォレス Dee Wallace
エリオットの母で、子どもたちを女手一つで育てる温かい存在。 - マイケル・テイラー Michael Taylor
- ロバート・マクノートン Robert MacNaughton
エリオットの兄で、最初はE.T.を警戒するが次第に協力的になる。 - ガーティ・テイラー Gertie Taylor
- ドリュー・バリモア Drew Barrymore
エリオットの妹で、純粋な好奇心でE.T.を受け入れる幼い少女。 - E.T.(声) E.T. (Voice)
- パット・ウェルシュ Pat Welsh
地球に取り残された心優しい宇宙人で、テイラー一家と心を通わせる。 - キーズ Keys
- ピーター・コヨーテ Peter Coyote
E.T.の存在を追う政府関係者で、物語の後半で別の一面を見せる。 - グレッグ Greg
- K・C・マーテル K. C. Martel
エリオットの友人のひとりで、自転車での冒険に参加する。 - スティーブ Steve
- ショーン・フライ Sean Frye
エリオットの仲間で、自転車の追跡劇に加わる少年。 - タイラー Tyler
- C・トーマス・ハウエル C. Thomas Howell
エリオットの友人の一人で、仲間たちとE.T.を守る役割を担う。 - 少女 Pretty Girl
- エリカ・エレニアック Erika Eleniak
学校で登場する少女で、エリオットとの印象的な場面に関わる。
『E.T.』のあらすじ(ネタバレ)
宇宙から地球にやってきた探査船が森で植物採集をしていた際、仲間に置き去りにされた小さな異星人がいた。彼は地球に取り残され、不安の中で隠れながら過ごすことになる。
郊外に暮らす少年エリオットは、裏庭で不思議な存在と出会う。恐る恐る交流を重ねるうちに、言葉を交わさずとも互いの気持ちを通じ合わせられる関係を築き、やがて彼を「E.T.」と呼んで大切に守ろうとする。エリオットの兄や妹も次第に事情を知り、秘密を共有する仲間となる。
しかし、政府関係者がE.T.の存在を探知し、家にまで立ち入ってくる。体調を崩したE.T.は科学者たちに囲まれ、命の危機に瀕する。エリオットたちは必死に彼を救い出し、故郷の星へ帰すための作戦を決行する。
仲間の協力で自転車を走らせ、追手を振り切る中で、E.T.は再び宇宙船と再会することに成功する。エリオットとの別れは涙にあふれるものだったが、E.T.は「いつまでも一緒にいる」と伝え、光の中へと帰還していった。
『E.T.』の見どころ
『E.T.』完成までの経緯
『E.T.』は『未知との遭遇 ()』、『ジュラシック・パーク』シリーズや『レディ・プレイヤー1』など数々の名作SFファンタジー映画を世に送り出しているスティーヴン・スピルバーグ監督の代表作のひとつ。
スティーヴン・スピルバーグ監督は、自身の少年時代に感じていた孤独をもとに『E.T.』の着想を得ました。当初は『未知との遭遇』の続編や侵略型の宇宙人映画として企画されていましたが、最終的には「少年と宇宙人の友情」をテーマとした物語へと方向転換されました。脚本を担当したメリッサ・マシスンは、スピルバーグとの密なやりとりの中で、家族愛や喪失感、絆といった要素を盛り込み、温かみのある物語に仕上げていきました。
制作現場では数多くの工夫が凝らされました。E.T.の造形には、カーロ・ランバルディら特殊効果チームが参加し、アニマトロニクスによる表情豊かな動きを実現しています。声は女優パット・ウェルシュのかすれ声が採用され、さらに動物の鳴き声や様々な効果音がミックスされて独特の響きが生み出されました。撮影では子役たちの自然な演技を大切にするため、スピルバーグが現場で即興的なやりとりを多く取り入れ、特にエリオット役のヘンリー・トーマスのオーディションでは涙を誘う演技が監督を感動させたことが有名です。
アカデミー賞を4部門受賞し、冒頭でも書きましたが全世界興行収入歴代1位の座を11年間もの間キープしました。
全世界興行収入は約7.9億ドル。2000年以降映画の興行収入は敷居も上がり、今では10億ドル超えても上位10作品にも入りませんが、インフレ調整後興行収入として見てみると「全映画の中でトップ5前後」に入るレベルで、その影響力は計り知れません。
ジョン・ウィリアムズの名曲
エンディングは作曲家ジョン・ウィリアムズにとって最も重要な音楽的経験のひとつだったとされています。
何度も映像と重ねながらオーケストラを指揮し、最終的にはコンサートを行うかのように演奏を行った上で、音楽に合わせて映像編集を行ったそうです。
ジョン・ウィリアムズは壮大で叙情的なスコアを作り上げ、特に自転車で空を飛ぶシーンの音楽は映画史に残る名場面を強く印象づけました。
『E.T.』の主題歌として最も有名なのが「Flying Theme」。サウンドトラック・アルバムのタイトルは「Flying」となっていますが、ジョン・ウィリアムズのコンサートや後年のベスト盤などでは「Flying Theme」や「Theme from E.T. (Flying Theme)」と表記されることが多いです。
ジョン・ウィリアムズはゴールデングローブ賞とサターン賞に加え、グラミー賞2部門、BAFTAを受賞しました。
心温まる家族・友情映画
エリオットとE.T.、エリオットの家族とE.T.との間に徐々に芽生える友情そして家族愛のようなものに、心を動かされる作品です。
そしてE.T.との出会いを通じて、エリオット自身が成長し、家族同士の絆も深まっていく様子も描かれています。最後のお別れのシーンは色々な思い出がスローバックして涙を誘われること間違いなしです。
なかでもガーティ役のドリュー・バリモアは後に様々なジャンルの映画やドラマに引っ張りだこの女優に成長していますが、当時7歳の子役として出演した今作では初対面のE.T.の姿を見て叫ぶシーンはもちろん、E.T.に英語を教えたり、うっかりと隠し事を話してしまったりと、微笑ましくなんとも可愛らしい役柄を見事に演じています。
赤い自転車は日本製
劇中に使用された自転車は実は日本製だそうで、KUWAHARA BIKE WORKSという会社の製品です。公開当時は同商品が全世界で大ヒットしたとか。
さらに2022年には映画公開40周年を記念して、当時のデザインを忠実に再現したアニバーサリーモデル「E.T.40」が登場しました。クラシックな配色やロゴを復刻しつつ、現代的なパーツも組み込まれており、往年のファンだけでなく新しい世代のサイクリストからも注目を集めています。
『E.T.』の影響
『E.T.』は1982年の公開直後から空前のヒットを記録し、単なる一映画にとどまらず世界的な文化現象を巻き起こしました。家族の絆や友情を描いた普遍的なテーマは国境を越えて人々の心をつかみ、ハリウッドにおけるファミリー映画の方向性を大きく変えたといわれています。興行的成功によってスティーヴン・スピルバーグ監督の地位はさらに確立され、以後の映画産業において「監督ブランド」という概念を強く意識させる契機にもなりました。
映像技術や特撮面でも高く評価され、当時としては斬新なアニマトロニクスを駆使したE.T.の造形は後のクリーチャー表現に大きな影響を与えました。さらに自転車で空を飛ぶ名場面は映画史に残る象徴的なシーンとなり、多くの作品でオマージュとして引用されています。また、ジョン・ウィリアムズによる音楽も世界的に親しまれ、映画音楽の金字塔として語り継がれる存在となりました。
加えて、公開後には関連商品が爆発的に売れ、映画とグッズ展開が相乗効果を生むビジネスモデルを世界に広めた作品としても重要です。アメリカ国内はもちろん、日本を含む各国でも「E.T.現象」が巻き起こり、映画が社会や文化に与える影響力の大きさを改めて知らしめました。こうした多方面への波及効果により、『E.T.』は今なお映画界に多大な足跡を残す作品とされています。
『E.T.』のトリビア
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全身を使った人形劇のほとんどは身長2フィート10インチ(約86.4cm)のスタントマンによって演じられましたが、キッチンのシーンは、生まれつき足がないものの逆立ち歩行の達人である12歳の少年を使って行われました。
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ある場面で、ガーティはE.T.を見下ろしながら「彼の足が好きじゃない」と言います。これはドリュー・バリモアによるアドリブで、実際にはE.T.の人形から出ているワイヤーの束を指していました。エリオットが「E.T.は小さな子供にしか見えない」と言った後の「勘弁して!」というセリフも、ガーティがアドリブで言っていました。
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スティーブン・スピルバーグは、エリオットとE.T.とのつながりを深めるために、映画のほとんどを子供の目線から撮影しました。
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ハロウィーンのシーンで、E.T.がヨーダのコスチュームを着た子供を見て、見覚えがあるかのように振る舞うシーンがありますが、これはスティーブン・スピルバーグが親友のジョージ・ルーカスに仕掛けた内輪ネタで、『スター・ウォーズ エピソード1/ ファントム・メナス (1999)』では、ルーカスは銀河元老院を舞台にしたシーンでこのジョークに応えています。
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ハリソン・フォードは、スピルバーグと、脚本家で当時の恋人でもあったメリッサ・マシスンから熱烈な説得を受け、エリオットの学校の校長役でカメオ出演を果たしました。フォードは最終的に、それまでの大人の登場人物のほとんどと同様に、顔が映らないため、この出演を承諾。このシーンは本編では削除されましたが、1996年のレーザーディスク版で初公開されました。
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オーディション中、ヘンリー・トーマスは愛犬が亡くなった日のことを思い出して悲しみを表現。監督のスティーブン・スピルバーグは涙を流し、その場で彼にエリオット役をオファーしました。
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まだ子供だったドリュー・バリモアは重要なセリフをなかなか覚えないため、スティーヴン・スピルバーグは酷く怒鳴ってしまいましたが、後にドリュー・バリモアは高熱の中撮影に臨んでいた事を知り泣きわめくドリュー・バリモアを抱きしめて謝罪したそうです。
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E.T.の顔はアルベルト・アインシュタイン、カール・サンドバーグ、そしてパグをモデルに作られたそうです。
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カエルの解剖中にエリオットが学校の可愛い女の子にキスをするシーンは、ヘンリー・トーマスが非常に緊張していたため、うまく撮るのに3、4テイクかかりました。
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『E.T.』に出演する医師と看護師は、全員南カリフォルニア大学メディカルセンターの救急救命室の技師です。彼らは、セリフや動作がリアルに見えるよう、実際の患者と同じようにE.T.を治療するよう指示されていました。スティーブン・スピルバーグ監督は、俳優だけでは医療セリフを自然に表現できないと考え、俳優にセリフを代役として起用しました。
参考リンク
- E.T. the Extra-Terrestrial (1982) – IMDb
- E.T. the Extra-Terrestrial – Wikipedia
- E.T. – Wikipedia
- All Time Domestic Inflation Adjusted Box Office
感想とまとめ
『E.T.』は、少年と不思議な宇宙生命体との心温まる交流を描いた名作であり、その魅力は40年以上経った今も色褪せません。
ヘンリー・トーマスやドリュー・バリモアをはじめとするキャストの演技が作品に深みを与え、観客を物語の世界へと引き込みます。
友情や家族愛をテーマにしたストーリーは世代を超えて共感を呼び、ラストシーンは映画史に残る感動的な名場面として語り継がれています。
さらに、自転車で空を飛ぶ象徴的なシーンやジョン・ウィリアムズの音楽が映像と一体となって強烈な印象を残します。
公開当時に社会現象となったこともうなずけるほどの完成度で、映画史において特別な地位を占める一本です。

3.0
です!
簡単ではありますが『E.T.』について色々まとめてみました。
もしこの記事をご覧になった方で印象的なシーンなどありましたら、是非コメントお待ちしてます。
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