- 老いたブルース・ウェインが再びマントを纏い、腐敗したゴッサムへ帰還!
- 荒廃した街で新たなロビンと共に巨悪と対峙するダークナイトの最後の戦い!
- スーパーマンとの運命の一騎打ちがついに映像化!
- フランク・ミラー原作の伝説的グラフィックノベルを完全アニメ化した2部作!
『バットマン: ダークナイト・リターンズ(原題:Batman:The Dark Knight Returns)』は2012年から2013年にかけて販売された2部作のOVA。
原作は1986年に出版されたフランク・ミラーによる『バットマン』の同名ミニシリーズを原作。
(ブルース・ウェイン / バットマン)の声優をピーター・ウェラーが務め、バットマンを引退して10年が経ち、55歳になったブルース・ウェインが再びバットマンとして活動する話で、原作では続編も描かれていますが、アニメ作品になったのはバットマン:ダークナイト・リターンズだけ。
原作に忠実に描かれ、スーパーマンやグリーン・アロー、キャット・ウーマンも登場しますので、実写作品ばかりを見てきた方には非常に新鮮な作品だと思います。
『バットマン: ダークナイト・リターンズ』の作品情報
原題 | Batman: The Dark Knight Returns |
監督 | ジェイ・オリヴァ Jay Oliva |
脚本 | ボブ・グッドマン Bob Goodman ジェフリー・ナックマノフ Jeffrey Nachmanoff |
原作 | フランク・ミラー Frank Miller クラウス・ジャンソン Klaus Janson 『Batman: The Dark Knight Returns』 |
発売 | 米: 2012/9/25 (Part 1) 2013/1/29 (Part 2) 日:2016/2/24 (Part 1, 2) |
収録時間 | 76分(Part 1) 76分(Part 2) |
『バットマン: ダークナイト・リターンズ』のキャスト
- ブルース・ウェイン(バットマン) Bruce Wayne (Batman)
- ピーター・ウェラー Peter Weller
年老いて引退していたが、再びゴッサムの平和のために立ち上がる伝説のダークナイト - キャリー・ケリー(ロビン) Carrie Kelley (Robin)
- アリエル・ウィンター Ariel Winter
バットマンの新たな相棒として活躍する勇敢な少女 - ジェームズ・ゴードン James Gordon
- デヴィッド・セルビー David Selby
ゴッサム市警本部長として長年バットマンと協力してきた盟友 - アルフレッド・ペニーワース Alfred Pennyworth
- マイケル・ジャクソン Michael Jackson
ブルースの忠実な執事であり、精神的支えとなる存在 - ハービー・デント(トゥーフェイス) Harvey Dent (Two-Face)
- ウェイド・ウィリアムズ Wade Williams
かつての地方検事で、二重人格を持つ犯罪者へと転落した男 - ジョーカー Joker
- マイケル・エマーソン Michael Emerson
バットマンの永遠の宿敵であり、混沌と破壊をもたらす狂気の犯罪王 - トーマス・ウェイン Thomas Wayne
- ブルース・ティム Bruce Timm
ブルースの父で、彼の正義感の原点となった人物 - エレン・イン本部長 Ellen Yindel
- マリア・キャナル・バレーラ Maria Canals-Barrera
ゴードン退任後に本部長となり、バットマンと対立する新任警官 - ラナ・ラング Lana Lang
- パジェット・ブリュースター Paget Brewster
スーパーマンの旧友で、バットマン復活を支持するジャーナリスト - クラーク・ケント(スーパーマン) Clark Kent (Superman)
- マーク・バレー Mark Valley
政府の要請でバットマンと対峙する正義の象徴 - オリバー・クイーン(グリーン・アロー) Oliver Queen (Green Arrow)
- ロビン・アトキン・ダウンズ Robin Atkin Downes
片腕を失いながらも戦い続ける弓の名手 - セリーナ・カイル Selina Kyle
- トレス・マクニール Tress MacNeille
かつてキャットウーマンとして活躍した女性で、今は別の立場でブルースと関わる - レーガン大統領 President
- ジム・メスキメン Jim Meskimen
冷戦時代の政治的背景を反映した米国大統領 - デビッド・エンドクリン David Endocrine
- コナン・オブライエン Conan O’Brien
バットマン復活を話題にするテレビ司会者
『バットマン: ダークナイト・リターンズ』のあらすじ(ネタバレ)
『バットマン: ダークナイト・リターンズ』Part 1
犯罪の増加と治安の悪化が進むゴッサム・シティ。ブルース・ウェインは10年間バットマンとしての活動をやめ、静かに暮らしていた。しかし街の混乱と新たな脅威「ミュータント・ギャング」の台頭により、正義への衝動が再び目覚める。
ブルースはバットマンとして復活し、暴走するギャングに立ち向かう。新たな仲間としてキャリー・ケリーがロビンの役目を引き受け、二人は犯罪者を次々と制圧していく。世間では彼の復帰を歓迎する声と批判する声が入り混じり、議論が沸き起こる。
バットマンはミュータントの首領との直接対決に挑むが、初戦では圧倒されて重傷を負う。策略を練った彼は再戦で首領を公衆の面前で打ち破り、ギャングの求心力を崩壊させる。首領を失った一部のメンバーはバットマンを崇拝し、街の治安維持を手助けするようになる。
市民の支持を得る一方、バットマンの復帰は政府や警察にとって脅威となり、新たな対立の火種となる。ブルースは己の年齢や限界を感じながらも、闘いを続ける覚悟を固める。
『バットマン: ダークナイト・リターンズ』Part 2
ミュータント騒動の後、バットマンの存在はさらに注目を集める。だが、長年精神病院に収監されていたジョーカーがメディアの影響で再び表舞台へと現れ、バットマンとの宿命的な対決を望む。政府はスーパーマンを動かし、ブルースの活動を阻止しようとする。
ジョーカーは巧妙な計画で市民を殺害し、バットマンを挑発。ブルースはついに彼と対峙し、凄惨な戦いの末に決着をつけるが、自らも深く傷を負う。その影響で警察や世論からの追及がさらに強まり、ゴッサムでの立場が危うくなる。
政府の命を受けたスーパーマンがブルースの前に現れ、二人は宿命の一騎打ちを繰り広げる。オリバー・クイーン(グリーン・アロー)の助けも得て戦いは激化し、ブルースは自らの死を装う策を実行する。
公式には死亡したとされるブルースだが、実際は地下に潜伏し、信頼する仲間たちと新たな秘密組織を立ち上げる。ゴッサムの未来のため、表舞台ではなく影の存在として戦いを続ける道を選ぶのだった。
『バットマン: ダークナイト・リターンズ』の見どころ
引退するまでの経緯
この物語では10年前にスーパーヒーローが非合法化され、米国政府のエージェントとなったスーパーマン(クラーク・ケント)と、非合法化に反対のグリーン・アロー(オリバー・クイーン)以外は引退しています。
バットマン(ブルース・ウェイン)も反対していましたが、2代目ロビンのジェイソン・トッドがジョーカーに殺されてしまい、引退していました。
ここは原作では説明がありますがアニメの方では細かい描写があまりないので、事前に知っておいた方がいいかと思います。
それぞれのキャラクターの未来
歳をとっているのはバットマンだけではありません。スーパーマンことクリプトン人は人間と寿命が違うので外見の変化は見られませんが、他のキャラクターはほぼ歳をとっています。
アルフレッドはめっちゃ長寿ですが健在。95歳でもバットケイブ内で活動できるほど元気で、ブルース・ウェインがケガをした際には手術まで行っています。
セリーナ・カイルも歳をとってキャットウーマンを引退して、エスコートビジネスを経営しています。昔の面影は有りません。
ロビンになるには若すぎるキャリー・ケリー
キャリー・ケリーは13歳の普通の女の子。
ミュータント団と呼ばれているギャングからバットマンに救われ、模造品のロビンのコスチュームを買って、バットマンを助ける為に彼を探し出します。
具体的な設定がないため、その強さは未知数ですが、特に何もしていない女の子がいきなりロビンになって活躍するには少し設定が斬新です。
バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生?
映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 (2016)』ではバットマンとスーパーマンが戦うシーンがあります。
この時のバットマンは、スーパーマンと互角に戦うためパワードスーツを着用していますが、『バットマン: ダークナイト・リターンズ』でもほぼ同様のシーンがあり、映画はインスパイアを受けているかもしれません。
映画ではクリプトナイトを用いてバットマンは優勢になりますが、OVAではグリーン・アローがクリプトナイトを含んだ矢を放ち、スーパーマンにダメージを与えます。
そんなグリーン・アローはスーパーマンのせいで左腕を失っています。ただこの件について原作でも具体的な明言は有りません。
この片腕を失うという描写は海外ドラマ『レジェンド・オブ・トゥモロー』に登場した2046年のオリバー・クイーンに継承されており、他には海外ドラマ『ARROW/アロー』でロイ・ハーパーが飛行機事故で腕を失っています。
ダークナイト・ライジングもインスパイアを受けてる?
核弾頭による電磁パルスの影響でアメリカ中が停電になります。その時バットマンとロビンはミュータント団や「バットマンの息子」と呼ばれる集団と共にゴッサムシティの混乱を鎮圧するのですが、その様が映画『ダークナイト・ライジング (2012)』の最後のシーンと同じように見えるんですよね。
決して同じ内容ではありませんが、設定や流れを継承しつつ映画はオリジナルに成立しているので、その違いを見つけるのも楽しみ方のひとつだと思います。
『バットマン: ダークナイト・リターンズ』のトリビア
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コミッショナーがバットマンと連絡を取るために使用する赤い電話は、1960年代のテレビシリーズで使用されていたものと同じデザインとビープ音を備えています。
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2000年代初頭、ヒューズ兄弟は『ダークナイト・リターンズ』の実写版監督のオファーを受けていますが、実現しませんでした。彼らはクリント・イーストウッドにブルース・ウェイン/バットマンを演じてもらいたいと考えていました。イーストウッドは当時70代前半でしたが、コミック版のバットマンは55歳でした。
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バットマンはトゥーフェイスを追跡中に撃たれ、胸を撃たれます。原作では、バットマンのシンボルの下にある装甲の一部が露出しており、バットマンは胸に明るい黄色の標的があるのはそのためだと独り言を言います。狙撃兵が、より脆弱な場所ではなく、狙うべき場所を与えるためです。
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子供向けマーケティングのため、グラフィックノベルではゴードン本部長が葉巻を吸っているシーンがニコチンガムに置き換えられています。ゴードン本部長は実際にこのことについて、「妻に葉巻をやめさせられたんです」と説明しています。
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バットマンがミュータントを壁の外に引きずり出すシーンは、『ロボコップ (1987)』でロボコップがガンマンを壁の外に引きずり出すシーンと似ている、というか全く同じです。どちらのシーンもピーター・ウェラーが演じています。フランク・ミラーは『ロボコップ』と『ダークナイト』の脚本も手掛けています。
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犯罪街でスーパーマンとバットマンが戦うシーンでは、クリストファー・リーブ演じるスーパーマンの額入り写真が、ある部屋に一瞬だけ映っています。
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ゴードンの妻は、直接は明言されていないものの、この物語におけるサラ・エッセンです。彼女は2011年にアニメ化された『バットマン:イヤーワン』で彼が不倫関係にあった女性です。彼はベッドでバーバラの隣に座っている時、彼女をサラと呼んでいます。
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マイケル・エマーソンはジョーカー役の演技をコメディアンのポール・リンドをモデルにしたと伝えられています。
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ジョーカーがトークショーへの出演許可を得た後、ウォルパー博士が彼を連れて行く番組は『デイビッド・エンドクライン・ショー』です。コミックでは、番組の司会者は明らかに実在の司会者デイヴィッド・レターマンに似せて描かれており、音楽監督は実在の音楽家ポール・シェイファーに似せて描かれています。デイビッド・エンドクラインを演じているのはコナン・オブライエンです。オブライエンは1993年にレターマンの後任として『レイト・ナイト・ウィズ・コナン・オブライエン』として引き継ぎました。
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ゴードン家のアパートのシーンでは、壁に数枚の写真がかかっているのが見えますが、その中で最も大きな写真は、ジェームズ・ゴードンと最初の妻バーバラ・ゴードン(旧姓キーン)、そして息子ジェームズ・ゴードン・ジュニアの写真で、以前のアニメ版『バットマン:イヤーワン』に登場したもの。もう1枚は、同じくバーバラ・ゴードンという名の娘、通称バットガールの写真と思われます。
参考リンク
- Batman: The Dark Knight Returns, Part 1 (Video 2012) – IMDb
- Batman: The Dark Knight Returns, Part 2 (Video 2013) – IMDb
- Batman: The Dark Knight Returns (film) – Wikipedia
- バットマン: ダークナイト・リターンズ – Wikipedia
- バットマン:ダークナイト・リターンズ (アニメ) – Wikipedia
感想とまとめ
『バットマン: ダークナイト・リターンズ』は、その後の実写作品にインスパイアされたシーンがあったり、復帰したバットマンの全盛期とは大きく劣ってしまった実力への葛藤などおもしろいと感じさせる要素の多い作品です。
どの映画でも描かれていないであろう原作の続編、「バットマン: ダークナイト・ストライクス・アゲイン」と「バットマン: ダークナイト・マスター・レース」は現時点でOVA化の予定はないみたいで、原作を英語でも読める方は必ず続きが見たくなるはず。私も読みたいのですが英語は読めないのでOVA化に期待しています。
簡単ではありますが『バットマン: ダークナイト・リターンズ』について色々まとめてみました。
もしこの記事をご覧になった方で印象的なシーンなどありましたら、是非コメントお待ちしてます。
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