- 極小から無限大へ!量子世界が人類に牙をむく!
- アントマンとワスプが挑む、史上最凶の敵カーンとの決戦!
- 目眩めくビジュアルと異次元バトルが織りなす驚異のスケール!
- 家族の絆とマルチバースの危機が交錯する、MCU新章の幕開け!
『アントマン&ワスプ:クアントマニア(原題:Ant-Man and the Wasp: Quantumania)』は、2023年のアメリカのスーパーヒーロー映画で、『アントマン&ワスプ』の続編。
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)全体では『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3 (2023)』に続く31作品目。ポール・ラッド主演、フェーズ5の1作目として位置づけられています。
『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の作品情報
原題 | Ant-Man and the Wasp: Quantumania |
監督 | ペイトン・リード Peyton Reed |
脚本 | ジェフ・ラブネス Jeff Loveness |
原作 | スタン・リー Stan Lee ジャック・カービー Jack Kirby ラリー・リーバー Larry Lieber 『Ant-Man』 |
公開 | 2023/2/17 |
上映時間 | 125分 |
『アントマン&ワスプ:クアントマニア』のキャスト
- スコット・ラング(アントマン) Scott Lang (Ant-Man)
- ポール・ラッド Paul Rudd
量子世界へ再び挑むことになる元泥棒のヒーロー - ホープ・ヴァン・ダイン(ワスプ) Hope van Dyne (Wasp)
- エヴァンジェリン・リリー Evangeline Lilly
ピム博士の娘であり、アントマンのパートナー - 征服者カーン / イモータス / ラマ・タト / センチュリオン / ヴィクター・タイムリー Kang the Conqueror / Immortus / Rama-Tut / Centurion / Victor Timely
- ジョナサン・メジャース Jonathan Majors
マルチバースにおける恐るべき支配者 - キャシー・ラング Cassie Lang
- キャスリン・ニュートン Kathryn Newton
スコットの娘で成長しヒーロー活動に憧れる少女 - ヴェブ Veb
- デヴィッド・ダストマルチャン David Dastmalchian
量子世界の奇妙な生物 - ジェントーラ Jentorra
- ケイティ・オブライアン Katy O’Brian
量子世界の反乱軍のリーダー - クアズ Quaz
- ウィリアム・ジャクソン・ハーパー William Jackson Harper
心を読む能力を持つ反乱軍の仲間 - クライラー卿 Lord Krylar
- ビル・マーレイ Bill Murray
量子世界の権力者 - ジャネット・ヴァン・ダイン(初代ワスプ) Janet van Dyne (The Wasp)
- ミシェル・ファイファー Michelle Pfeiffer
量子世界で長年過ごした初代ワスプ - ダレン・クロス(M.O.D.O.K.) Darren Cross (M.O.D.O.K.)
- コリー・ストール Corey Stoll
かつての宿敵で改造されM.O.D.O.K.となった男 - ハンク・ピム(初代アントマン) Hank Pym
- マイケル・ダグラス Michael Douglas
量子科学の権威でアントマンの創始者 - ジミー・ウー Jimmy Woo
- ランドール・パーク Randall Park
FBI捜査官でスコットと親交がある - デイル Dale
- グレッグ・ターキンソン Gregg Turkington
スコットの行きつけのコーヒー店の店主 - コーヒーショップの店員 Coffee Shop Attendant
- ルーベン・ラバサ Ruben Rabasa
スコットに声をかける店員 - 犬と一緒に写真を頼む男性 A man asking Scott for a picture with his dog
- E(マーク・オリバー・エヴェレット) Mark Oliver Everett
スコットに写真を頼む市民 - クォンタムノートの声 Quantumnaut Voice
- ロジャー・クレイグ・スミス / マシュー・ウッド Roger Craig Smith / Matthew Wood
量子世界に響く謎の声 - ロキ Loki
- トム・ヒドルストン Tom Hiddleston
アスガルドの悪戯の神 - メビウス・M・メビウス Mobius M. Mobius
- オーウェン・ウィルソン Owen Wilson
時間変異取締局(TVA)のエージェント
『アントマン&ワスプ:クアントマニア』のあらすじ(ネタバレ)
アベンジャーズの一員として世界を救ったスコット・ラング(アントマン)は、平穏な日々を送っていた。しかし、娘のキャシーが開発した量子世界との通信装置が暴走し、スコット、キャシー、ホープ(ワスプ)、ハンク、ジャネットの5人は量子世界へと吸い込まれてしまう。
量子世界でスコットとキャシーは反乱軍と出会い、ホープたちはジャネットの旧友クライラーと再会する。ジャネットは、かつてこの世界でカーンという男と出会い、彼の船の修復を手伝った過去を明かす。しかし、カーンの真の目的が多元宇宙の征服であることを知り、彼を阻止するために動力コアを破壊していた。
カーンは再び力を取り戻し、スコットに動力コアの修復を強要する。スコットはキャシーを救うため、確率嵐の中で無数に分裂しながらも、彼女への思いで一致団結し、コアの修復に成功する。一方、キャシーは反乱軍を率いてカーンの軍勢に立ち向かい、モードックとなったダレン・クロスも改心し、カーンに反旗を翻す。
ジャネットが修復した動力コアを使い、家族は元の世界への帰還を試みるが、カーンがスコットを襲撃する。スコットとホープは協力してカーンをコアに封じ込め、彼を消滅させることに成功する。その後、スコットは日常に戻るが、カーンの言葉が頭をよぎり、不安を感じる。ミッドクレジットシーンでは、無数のカーンの変異体が集結し、ポストクレジットシーンでは、ロキとモビウスが別のカーンの変異体と遭遇する。
『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の見どころ
量子世界がメインステージ
舞台はついに本格的な量子世界へ突入。これまで謎めいていたこの領域が、クアントマニアでは広大な宇宙のようなビジュアルで描かれ、摩訶不思議な住人たちも多数登場。
まるで別のSF映画を観ているかのような没入感が味わえる作品となっています。
また前作では語られなかった、ジャネットが量子世界で30年間何を経験していたのかが明かされます。
彼女の隠された過去が今作の物語に大きく関わっており、カーンとの因縁や量子世界の構造にも深く絡んできます。
縮小・巨大化に加え、量子空間ならではの物理法則を無視したようなアクションが満載。
特にスコットの分身のようなシーンや、カーンとの直接対決では、アントマンシリーズとは思えないほどのスケールのバトルが繰り広げられます。
征服者カーンの登場
本作で最も注目すべきは、“カーン”の初登場。サノスに続くMCUの次なるビッグヴィランとして描かれる彼は、冷静かつ圧倒的な力を持ち、全ての時間軸に干渉できる存在。
アントマンたちが対峙するにはあまりに大きな脅威と言えるキャラクターです。
アントマン家のファミリードラマ
今作ではスコットと娘キャシーとの絆、そしてピム夫妻とホープの関係性など、「家族」が大きなテーマになっています。
量子世界の冒険を通して家族の再定義がなされ、意外にも感動的な展開が用意されています。
キャシー・ラングがヒーローに
今作では成長したキャシーも自作のアントマンスーツを着て活躍します。
皆がいなくなっていた5年の間に、量子世界に関心を寄せ、量子世界の地図を製作するために信号を送る装置を開発するまでに至るほどの成長を見せます。
キャシー・ラング役はMCUの中でも特に演者の変更が多いキャラクターです。1作目と2作目ではアビー・ライダー・フォートソンでしたが、『アベンジャーズ/エンドゲーム (2019)』で5年が経過してしまうという設定に合わせ、エマ・ファーマンが演じました。しかし今作ではキャスリン・ニュートンが演じています。
交代となった理由は明確ではありませんので憶測になりますが、明らかにアクションシーンやセリフも増え、存在感が増していることから、演技経験やアクションなどの経験があるキャスリン・ニュートンに白羽の矢が立ったのかもしれません。
『アントマン』は今後もMCUを左右するのか
『アントマン&ワスプ:クアントマニア』は本来、征服者カーンの存在が後の『アベンジャーズ』シリーズ『アベンジャーズ:ザ・カーン・ダイナスティ(原題:Avengers: The Kang Dynasty)』へと展開される予定でした。
しかしカーン役のジョナサン・メジャースが当時の交際相手へのDVで逮捕・有罪判決を受け、ディズニーは即日メジャースとの契約解除。ザ・カーン・ダイナスティから『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』となりました。
『アントマン』シリーズはこれまでMCUが展開するストーリーに重要な要素を含んでいたため、今回の流れが今後の『アントマン』シリーズにどのような影響があるのか。注目してみたいところです。
『アントマン&ワスプ:クアントマニア』のトリビア
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『アベンジャーズ/エンドゲーム (2019年)』で10代になったキャシー・ラング役を演じたエマ・ファーマンはキャスリン・ニュートンに交代しました。
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スコットのアントマン スーツは、コミックの古典的な胸のパターンを取り入れるように変更されました。
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ジャネットが、量子世界が前回このように見えなかった理由を説明しているとき、彼女は「サブアトミカ」というフレーズを簡単に使用しています。これは、コミックではファンタスティック フォーが訪れたマイクロバースの特定のシステム、または単にリードがマイクロバースに付けた名前のいずれかです。
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ペイトン・リード監督によると、ダレン・クロスがモードック役で本作に復帰したことは、脚本家たちにとって思いがけない「ひらめき!」だったそうです。
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コーリー・ストールがダレン・クロス役を再演することに同意したのは、『アントマン』のクルーと再び仕事ができるという理由と、コミックオタクとしてモードックのことを知っていて、彼を演じるというアイデアにとても興奮していたからだそう。
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ジョナサン・メジャースが演じる「カーン」は本作で本格的に登場。実はドラマ『ロキ』シーズン1最終話で「在り続ける者」としてすでに登場しており、同じ俳優が演じていることがマルチバースの伏線となっています。
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今後、何人もの“カーンの変異体”を演じることが予定されているジョナサン・メジャースは、キャラクターごとに異なる声色・口調・動作を緻密に設計しており、役作りの深さが話題となりました。
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量子世界の映像は、全編がグリーンスクリーンおよびCGによって作られており、ロケは一切なし。特にインスピレーションの一部には『スター・ウォーズ』の異星描写が影響を与えているとされています。
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フェーズ5の幕開けという一見重要そうな位置づけであるも、アントマンとその家族だけでストーリーが進行し、他のアベンジャーズが一切登場していません。
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主演のポール・ラッドは、公式に脚本家としてクレジットされていないものの、ユーモアのバランスやスコット・ラングのセリフに大きく関与していると言われているが、今作では初めて一切関わっていません。
参考リンク
感想とまとめ
『アントマン&ワスプ:クアントマニア』は量子世界が舞台となっている影響で映像面で様々なことが起こりました。
あるVFXアーティストは、本作の特殊効果の質が『ブラックパンサー:ワカンダ フォーエバー (2022年)』のために犠牲になったと語っています。
「優先順位で言えば、『ワカンダ フォーエバー』は間違いなく最優先事項でした。すべての資金がそこに投入され、最高のリソースもすべてそこに投入されました。チャドウィックの活躍や、前作の成功といった状況を考えれば、それは理解できます。しかし、そのせいで『アントマン』を最後までやり遂げる能力が損なわれてしまったのは事実です。『アントマン』に関しては、プロジェクトの後半3分の1と4分の1で多くの編集上の変更が行われましたが、それらはあまりにも遅すぎました。後戻りできない点があります。なぜ特定の変更が行われ、なぜ特定の注釈が本来よりも長く批判されたのか、それはマーベルの責任です。しかし、間違いなく[社名非公開]の全員に多くの緊張、混乱、そして負担をもたらしました。残念ながら、手抜きが目立ちます。不完全な作業を隠すために、いくつかの編集上のカットが行われました。アクションやエフェクトをもっとたくさん見せることができなかったのは、おそらくすべてをレンダリングする時間が足りなかったからでしょう。ショットの短縮やローリングが多用されました(ローリングとは、ショットを短くしたり長くしたりするのではなく、カット内で数フレーム移動させることです)。一部のシーンは、費用や時間を節約するため、あるいは制作の難しさを隠すために、トリミングや変更が加えられたように感じました。」
この時期のMCUは映像制作のスケジュールが過密気味であることはよく報じられていました。
加えて脚本からポール・ラッドが外れ、ジェフ・ラブネスが単独で担当。それまでテレビ番組の脚本しか経験してなかった彼にとって映画での脚本デビュー作です。この抜擢はフェーズ5の1作目で行うにはかなり大胆な戦略な気もします。
ただ彼にはテレビ番組『リック・アンド・モーティ』の脚本家として知られ、マルチバースや複雑な物語構造を扱う経験があったこと、コミックの方で『グルート』や『ノヴァ』などの作品を手掛けていたことなどが抜擢理由のようで、量子世界やマルチバースにこだわりすぎたことが人によっては全体的な脚本の薄さを感じてしまった要因のひとつなのかもしれません。
ひどいかどうかは結局人それぞれの評価ですが、今作に限ってはその評価も目立っている印象です。

3.0
です!
簡単ではありますが『アントマン&ワスプ:クアントマニア』について色々まとめてみました。
もしこの記事をご覧になった方で印象的なシーンなどありましたら、是非コメントお待ちしてます。
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