- 近未来、処刑ゲームが大衆娯楽に!命懸けのサバイバルショーが幕を開ける!
- アーノルド・シュワルツェネッガー主演、反逆のヒーローが巨大メディア国家に挑む!
- ド派手な衣装と凶悪“ランナーキラー”たちとの死闘が見もの!
- 『1984』×TVショー風演出!皮肉と暴力が交錯するディストピア・アクション!
『バトルランナー(原題:The Running Man)』は1987年公開のアクション映画。アーノルド・シュワルツェネッガー主演、未来を舞台に囚人たちは「ランニング・マン」と呼ばれるTVショーに参加させられ生死を賭けたゲームを行うSFアクション映画です。
『バトルランナー』の作品情報
原題 | The Running Man |
監督 | ポール・マイケル・グレイザー Paul Michael Glaser |
脚本 | スティーヴン・E・デ・スーザ Steven E. de Souza |
公開 | 米:1987/11/13 日:1987/12/12 |
上映時間 | 101分 |
製作費 | 2,700万ドル |
興行収入(世界) | 3,812万ドル |
『バトルランナー』のキャスト
- ベン・リチャーズ Ben Richards
- アーノルド・シュワルツェネッガー Arnold Schwarzenegger
無実の罪でショーに出場させられる元軍人の主人公 - アンバー・メンデス Amber Mendez
- マリア・コンチータ・アロンゾ Maria Conchita Alonso
ベンと行動を共にするテレビ局のスタッフ - デーモン・キリアン Damon Killian
- リチャード・ドーソン Richard Dawson
視聴率最優先の冷酷なTV番組司会者 - ウィリアム・ラフリン William Laughlin
- ヤフェット・コットー Yaphet Kotto
ベンの仲間として共に戦う囚人 - ハロルド・ワイス Harold Weiss
- マーヴィン・J・マッキンタイア Marvin J. McIntyre
TVネットワークのシステムをハッキングする頭脳派 - キャプテン・フリーダム Captain Freedom
- ジェシー・ベンチュラ Jesse Ventura
かつての人気ストーカー、引退後に番組に戻る - ファイアーボール Fireball
- ジム・ブラウン Jim Brown
火炎放射器で攻撃する恐怖のストーカー - ダイナモ Dynamo
- アーランド・ヴァン・リドス Erland van Lidth
電撃攻撃が得意なオペラ歌手風のストーカー - バズソー Buzzsaw
- ガス・レスウィッシュ Gus Rethwisch
チェーンソーを武器に暴れまわるストーカー - サブゼロ Subzero
- プロフェッサー・トオル・タナカ Professor Toru Tanaka
氷上での戦いを得意とするレスラースタイルのストーカー - フィル Phil Hilton
- ロジャー・バンパス Rodger Bumpass
番組スタッフの一人 - ミック Mic
- ミック・フリートウッド Mick Fleetwood
地下レジスタンスのリーダー - スティーヴィー Stevie
- ドゥイージル・ザッパ Dweezil Zappa
レジスタンスの若者メンバー - ブレンダ Brenda
- カレン・リー・ホプキンス Karen Leigh Hopkins
TV番組の熱狂的な視聴者 - スヴェン Sven
- スヴェン=オーレ・トールセン Sven-Ole Thorsen
キリアンの用心棒 - トニー Tony
- カート・フラー Kurt Fuller
TVネットワークのスタッフ - エージェント Agent
- ケン・ラーナー Ken Lerner
ベンの身柄を確保しようとする役人 - エイミー Amy
- デイ・ヤング Dey Young
TV局スタッフ - アグネス・マッカードル夫人 Mrs. McArdle
- ドナ・ハーディ Dona Hardy
ベンを応援する高齢の視聴者 - レオン Leon
- ビル・マーゴリン Bill Margolin
TV番組の裏方
『バトルランナー』のあらすじ(ネタバレ)
2017年、独裁政権が支配する未来社会。テレビが強力なプロパガンダの手段となり、視聴率を稼ぐための暴力的な番組が大人気だ。その中でも最も過激なのが、生存者がほとんど出ないデスゲーム番組「バトルランナー」だった。主人公の元警官ベン・リチャーズは、食料暴動で無実の市民への攻撃命令を拒否したことで罪を着せられ、投獄される。脱獄を試みるも捕まり、政府の陰謀により「バトルランナー」に強制的に参加させられる。
ベンは巨大な競技エリアに放り込まれ、命を狙う「ストーカー」と呼ばれる凶暴な殺し屋たちと戦う羽目になる。彼に課されたのは、制限時間内にエリアを突破すること。ゲームに巻き込まれた仲間たちと協力しながらも、次々と襲い来るストーカーたちとの命懸けの戦いが繰り広げられる。戦いを通じて、政府の腐敗と番組の残酷さが徐々に明らかになっていく。
ベンは仲間とともにストーカーたちを撃破し、視聴者に番組の裏側を暴露しようと試みる。一方、番組のプロデューサーであるキリアンは、視聴率を上げるためにベンを悪者として宣伝し続ける。しかし、ベンは抵抗勢力と連携し、放送局を乗っ取る計画を実行する。彼らは放送を使って、政府の嘘や番組の操作を国民に公開する。
キリアンを追い詰めたベンは、彼をゲームエリアに送り込み、視聴者に真実を見せることで反撃を完了する。視聴者たちは真実に目覚め、政府と番組への怒りを爆発させる。独裁体制の崩壊を予感させる中、ベンは自らの戦いを終え、希望の兆しを残して物語は幕を閉じる。
『バトルランナー』の見どころ
殺人ゲームがテレビ放映される奇妙な未来設定
バトルランナーは1987年に製作され、2017年のロサンゼルスを舞台としているので30年後の未来を描いているわけですが、風景は未来っぽいですが、細かい描写に80年代なものを感じるので、そこがまた面白いポイントだと思います。
システムのモニターほとんどがブラウン管だったり、ランニング・マンのスタジオ観覧者への商品がボードゲームだったり、もみあげがテクノカットだったり。インターネットがなかったり。
やはり1980年代から2000年代にかけての技術の発展というのはものすごいスピードなんだなと。
昔の映画で未来を描いているもののほとんどは、インターネットの普及を予想できなかったでしょうね。
設定としては人気司会者デーモン・キリアンが率いる「凶悪犯と正義の戦士との戦い」を放映するテレビ番組「ランニング・マン」は、観覧客を入れて番組が進行されるスタイル。
番組が用意したストーカーと呼ばれるハンターに立ち向かい、勝ち進んでいく設定ですが、観覧客は凶悪犯がストーカーに殺されていくシーンがテレビ番組として放映されている社会。
社会経済が混乱した2017年のアメリカが舞台という設定ですが、アニメなら有り得そうですが実写で見るには少し複雑な気持ちになります。こういう社会は来てほしくないものです…。
BBCのジャーナリストによる指摘
In a world beset by a collapsing economy, the US media conspires with the government to keep the population in check with a combination of heavy-handed policing and a steady stream of vapid reality TV shows. Meanwhile, one of the most powerful men in the world is the host of a reality TV show.
BBCのジャーナリストは本作で言及された経済崩壊や対象への批判を繰り返す「アメリカのテレビ文化」が、現代のアメリカを正確に予測していたと指摘しています。
実際に嘘のニュースが蔓延しているという設定が、現在の社会を映してるようにも思いますが、嘘のニュースは正直今に始まった話だとは思えません。
ネットなどの影響から嘘のニュースが蔓延していると実感できる社会になっているという意味では予測が正解しているとは言えないでしょうね。
ちなみに原作の設定は2025年です。なぜ2017年に変更したのでしょうか。
弟はどこにいった?
施設で知り合った反政府組織のラフリンやワイスらと結託して脱獄を果たしたベン・リチャーズは、弟のアパートに侵入しますが、既に連行されていました。
デーモン・キリアンを倒してバトルランナーのエンディングと共に映画も幕を閉じましたが、弟の話は一切出てきませんでした。
独裁政権が支配した社会ではベン・リチャーズがその後も生き抜けるとは思えません。
なので弟も生存してるのかどうか。
この映画の闇は恐ろしいほど深く描く事もできるかと思うので、もし今後リブート作品や続編などが製作されることがある場合は、その辺りも描いてほしいものです。
ランニング・マンに登場するストーカー
サブゼロ
サブゼロ役にはプロレスラーのプロフェッサー・タナカが起用されましたが、アイスホッケーの格好をさせられ、ほとんど格闘シーンがないまま首を絞められて死んでしまうという、ゲスト出演レベルの役回りでした。
過去に30人以上のランナーを処刑してきたストーカーなのにあんな数分で終わってしまうのはあまりにもあっけないですよね。
もう少し格闘があってもよかったのではないでしょうか。
バズソー
バズソーは昨年度チャンピオンをいう設定でした。
鉄パイプすら簡単に切断する特殊スチールで出来たチェーンソーでラフリンが負傷しやられてしまいましたが、ベン・リチャーズは怪力でチェーンソーを押し返しました。
ダイナモ
そしてアクシデントで自分の乗ったバギーに閉じ込め自滅に近いダイナモ。
この辺りから放送乗っ取り用の暗号コードを取得することに焦点が向けられたため、2人も出てきたのに格闘という格闘はあまりなく、その代わり強さを出すためなのか、ここでラフリンとワイスもやられてしまいました。
ファイアーボール
ファイアーボールは火炎放射器のパイプを抜かれた上に発炎筒を投げつけられ爆死します。
ロケットベルトを装着して飛行移動するなんていう未来的な演出ができるキャラクターなのにあっけなく死んでしまいました。
そしてここまでラフリンとワイスはやられましたが、ストーカーも4人倒してるのにもかかわらず、ベン・リチャーズはほぼ無傷です。
キャプテン・フリーダム
キャプテン・フリーダム身につけたものはどうやら、殺傷用の兵器らしいのですが、どう見てもただのガラクタでとても兵器には見えません。
結局出演は拒否したので死んではいないと思いますが、前半の方でテレビ番組でエアロビの指導をしている場面が映し出されている割には伏線回収しきれていないとも思いました。
主役ありきの映画はこういったサブキャラクターについての細かい設定がないのもよくある話ですね。
デーモン・キリアン殺しちゃって平気なの?
公共の電波でプロデューサー兼司会者を殺してしまうのは一見壮快にも思えますが、よく考えると「あ、殺しちゃっていいんだ(笑)」と思ってしまいました。
独裁政権が支配し社会にはデーモン・キリアンの上がいるはずで、実際司法省から許可を得てベン・リチャーズの出演をこぎ着けてる事を考えると、デーモン・キリアンが死んで終わり。でも完結しますが続編も作れそうな余韻が残っている印象です。
『バトルランナー』のトリビア
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製作総指揮のロブ・コーエンがリチャード・バックマンの小説「ランニング・マン」の権利を購入したとき、彼はバックマンが実際にスティーブン・キングの偽名であることを知りませんでした。
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1989年から放送されていたアメリカのテレビ番組『激突!アメリカン筋肉バトル』はこの映画にインスパイアされて構想が練られたそうです。
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ダイナモ役のアーランド・ヴァン・リドスは撮影が終わった数可決後、心不全で亡くなっています。またデーモン・キリアン役のリチャード・ドーソンも2012年に亡くなるまで他の作品に出演していないため、この映画が最後の作品となりました。
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「The Running Man」ショーの最初のビッグダンス番号は、ポーラ・アブドゥルによって振り付けられました。
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アーノルド・シュワルツェネッガーは、ポール・マイケル・グレイザーが監督を務めるにあたり「ひどい選択」だと思ったそうです。ポール・マイケル・グレイザーはテレビ出身で映画監督の経験がなかったためだと言われています。実際、テレビ番組のように撮影し、脚本のより深いテーマをすべて失ったと思ったそうです。
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アーノルド・シュワルツェネッガーは映画の中ではリチャード・ドーソンを嫌っていましたが、実生活では彼らは生涯の友人となりました。
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当初は1987年7月の公開が予定されていましたが、6月に公開されたアーノルド・シュワルツェネッガー主演のもう一つの夏映画『プレデター (1987)』との競合を避けるため、トライスター社によって4か月延期されました。
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クレジットでは単に「サブゼロ」と表記されているものの、アナウンサーのフィル・ヒルトンによって「プロフェッサー・サブゼロ」と紹介されています。これはサブゼロを演じたプロフェッサー・トウル・タナカに由来しているということです。
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映画の振り付けは歌手でダンサーのポーラ・アブドゥルが担当し、ダンサーの多くはNBAダンスチームの始祖レイカー・ガールズ時代の彼女の友人たちでした。
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アーノルド・シュワルツェネッガーは刑務所から脱獄した後のシーンで、ワールドジムのスウェットシャツを着ています。当時、ワールドジムのCEOはシュワルツェネッガーでした。
参考リンク
感想とまとめ
『バトルランナー』は何度観ても飽きないアクション娯楽の王道!特にシュワルツェネッガー演じるベン・リチャーズの圧倒的な強さと存在感は、「無敵すぎて逆に笑える」というレベルで、もはや一種のエンタメ芸。テレビ番組が命懸けのデスゲームと化す近未来の世界観もユニークで、現代にも通じる風刺が効いているのが面白い。ストーカーたちとのバトルもそれぞれ個性的で、ゲーム感覚で楽しめるのも魅力。真面目に観ても良し、ツッコミながら観ても良しの名作です!

3.5
です!
簡単ではありますが『バトルランナー』について色々まとめてみました。
過去に観たことがある方も、一度も観たことがない方も、今一度見るべきかもしれない作品だと思います。
もしこの記事をご覧になった方で印象的なシーンなどありましたら、是非コメントお待ちしてます。
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