- 時を超えた冒険が始まる!高校生マーティとドクが歴史を揺るがす!
- デロリアンが駆け抜ける未来・過去・西部開拓時代!スリル満点のタイムトラベル!
- 家族の運命、友情、そして愛…予測不能なドラマが待ち受ける!
- 80年代ポップカルチャーを象徴する名作!笑いと感動が交錯するSFエンターテインメント!
おそらく映画好きの99%は見たであろう不朽の名作『バック・トゥ・ザ・フューチャー(BTTF)』
監督はロバート・ゼメキス、マイケル・J・フォックス主演の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズは、全3作共に大ヒットを記録した言わずと知れたSF映画です。
2015年にはPART2で舞台となった未来として、1989年からの未来予測も話題になりましたが、すでに10年前の話。既に3作目の公開から35年もの月日が経過しています。
そんな大ヒット映画には意外と知らないトリビアも多数存在します。
今回は、全3作公開された『バック・トゥ・ザ・フューチャー(BTTF)』のあらすじや魅力についてまとめ、さらに多くのトリビアの中から筆者の私も何十回と見てるのに気づかなかったことや、新たに発見したことなども併せてご紹介いたします。
バック・トゥ・ザ・フューチャー全3部作の作品情報
バック・トゥ・ザ・フューチャー (1985) 作品情報
3作すべてでロバート・ゼメキスが監督を務め、ボブ・ゲイルと共に脚本を担当、製作総指揮にはスティーヴン・スピルバーグらが名を連ねています。
原題 | Back to the Future |
監督 | ロバート・ゼメキス Robert Zemeckis |
脚本 | ロバート・ゼメキス Robert Zemeckis ボブ・ゲイル Bob Gale |
製作 | ボブ・ゲイル Bob Gale ニール・カントン Neil Canton |
製作総指揮 | スティーヴン・スピルバーグ Steven Spielberg キャスリーン・ケネディ Frank Marshall フランク・マーシャル Kathleen Kennedy |
公開 | 米:1985/7/3 日:1985/12/7 |
上映時間 | 116分 |
制作費 | 1,900万ドル |
興行収入(世界) | 3億8,880万ドル |
興行収入(日本) | 60億9,000万円 |
バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2 (1989) 作品情報
原題 | Back to the Future Part II |
監督 | ロバート・ゼメキス Robert Zemeckis |
脚本 | ロバート・ゼメキス Robert Zemeckis ボブ・ゲイル Bob Gale |
製作 | ボブ・ゲイル Bob Gale ニール・カントン Neil Canton |
製作総指揮 | スティーヴン・スピルバーグ Steven Spielberg キャスリーン・ケネディ Frank Marshall フランク・マーシャル Kathleen Kennedy |
公開 | 米:1989/11/22 日:1989/12/9 |
上映時間 | 140分 |
制作費 | 4,000万ドル |
興行収入(世界) | 3億3,195万ドル |
興行収入(日本) | 95億円 |
バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3 (1990) 作品情報
原題 | Back to the Future Part III |
監督 | ロバート・ゼメキス Robert Zemeckis |
脚本 | ロバート・ゼメキス Robert Zemeckis ボブ・ゲイル Bob Gale |
製作 | ボブ・ゲイル Bob Gale ニール・カントン Neil Canton |
製作総指揮 | スティーヴン・スピルバーグ Steven Spielberg キャスリーン・ケネディ Frank Marshall フランク・マーシャル Kathleen Kennedy |
公開 | 米:1990/5/25 日:1990/7/6 |
上映時間 | 140分 |
制作費 | 4,000万ドル |
興行収入(世界) | 2億4,452万ドル |
興行収入(日本) | 82億円 |
バック・トゥ・ザ・フューチャー全3部作のキャスト
- マーティ・マクフライ Marty McFly
- マイケル・J・フォックス Michael J. Fox
タイムトラベルに巻き込まれる高校生の主人公。 - マーティ・マクフライ Jr. (Part2) Marty McFly Jr.
- マイケル・J・フォックス Michael J. Fox
主人公マーティの長男。パート2に登場。 - マーリーン・マクフライ (Part2) Marlene McFly
- マイケル・J・フォックス Michael J. Fox
マーティの娘。パート2で未来の姿として登場。 - シェイマス・マクフライ (Part3) Seamus McFly
- マイケル・J・フォックス Michael J. Fox
19世紀に生きるマーティの先祖。 - エメット・ブラウン博士(ドク) Doctor Emmett “Doc” Brown
- クリストファー・ロイド Christopher Lloyd
タイムマシン「デロリアン」を発明した科学者でマーティの良き相棒 - ロレイン・ベインズ・マクフライ Lorraine Baines-McFly
- リー・トンプソン Lea Thompson
マーティの母。シリーズを通して登場。 - マギー・マクフライ (Part3) Maggie McFly
- リー・トンプソン Lea Thompson
シェイマスの妻でマーティの高祖母にあたる人物。 - ジョージ・マクフライ George McFly
- クリスピン・グローヴァー(Part1) / ジェフリー・ウェイスマン(Part2,3)
マーティの気弱な父親で後に小説家となる - ビフ・タネン Biff Tannen
- トーマス・F・ウィルソン Thomas F. Wilson
シリーズを通じてマーティの宿敵となるいじめっ子。 - グリフ・タネン (Part2) Griff Tannen
- トーマス・F・ウィルソン Thomas F. Wilson
未来のビフの孫。パート2でマーティを追い詰める。 - ビュフォード・“マッド・ドッグ”・タネン (Part3) Buford “Mad Dog” Tannen
- トーマス・F・ウィルソン Thomas F. Wilson
19世紀に生きる無法者。パート3で登場。 - ジェニファー・パーカー Jennifer Parker
- クローディア・ウェルズ(Part1) / エリザベス・シュー(Part2,3)
マーティの恋人で未来や過去に同行する - デイヴ・マクフライ Dave McFly
- マーク・マクルーア Marc McClure
マーティの兄 - リンダ・マクフライ Linda McFly
- ウェンディ・ジョー・スパーバー Wendie Jo Sperber
マーティの姉 - ジェラルド・ストリックランド Gerald Strickland
- ジェームズ・トールカン James Tolkan
高校の厳格な教頭先生。 - ストリックランド保安官 (Part3) Chief Marshal James Strickland
- ジェームズ・トールカン James Tolkan
19世紀の町の保安官。ストリックランド家の先祖。 - クララ・クレイトン Clara Clayton
- メアリー・スティーンバージェン Mary Steenburgen
西部時代にドクと恋に落ちる教師 - ゴールディー・ウィルソン Goldie Wilson
- ドナルド・フュリラブ Donald Fullilove
過去では食堂の店員、未来では市長となる人物 - マーヴィン・ベリー Marvin Berry
- ハリー・ウォーターズ・Jr Harry Waters Jr.
高校のダンスパーティで演奏するバンドリーダー - ジュール・ブラウン Jules Brown
- トッド・キャメロン・ブラウン Todd Cameron Brown
ドクとクララの息子 - ヴェルヌ・ブラウン Verne Brown
- ダネル・エバンス Dannel Evans
ドクとクララのもう一人の息子
バック・トゥ・ザ・フューチャー全3部作のあらすじ
バック・トゥ・ザ・フューチャーは1985年に1作目『バック・トゥ・ザ・フューチャー(原題:Back to the Future)』、そして1989年に『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2(原題:Back to the Future Part II)』、1990年に『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3(原題:Back to the Future Part III)』が公開されました。
バック・トゥ・ザ・フューチャー (1985) あらすじ
物語は1985年のカリフォルニア。ロック好きの高校生マーティ・マクフライは、友人である発明家ドク・ブラウンの実験に立ち会うことになる。ドクは自ら改造したデロリアン型のタイムマシンを披露し、マーティは偶然その車に乗り込み、1955年にタイムスリップしてしまう。
1955年に降り立ったマーティは若き日の両親と出会うが、母ロレインが彼に恋心を抱いてしまい、本来父ジョージと結ばれるはずの未来が狂い始める。マーティは自身の存在が消えてしまう危機に直面し、歴史を元に戻すため奔走する。
ドクの協力を得ながら、マーティは父ジョージに勇気を持たせ、ロレインとの関係を取り戻させようと奮闘する。その裏では1955年の不良ビフが立ちはだかり、マーティの計画は何度も危機に晒される。やがて学校のダンスでジョージがビフを打ち倒し、ロレインの心を掴んだことで歴史が修正され、マーティの存在も救われる。
最後にマーティは落雷のエネルギーを利用して1955年から1985年へと帰還することに成功。帰宅すると、臆病だった父は自信に満ちた作家となり、家族の暮らしはより良いものに変化していた。しかし安堵も束の間、未来から戻ってきたドクが現れ、マーティと恋人ジェニファーを連れて再びデロリアンに乗り込む──物語は次の冒険へ続いていく。
バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2 (1989) あらすじ
1985年の出来事から間もなく、ドクは未来からマーティとジェニファーを迎えにやって来る。彼らの子どもがトラブルに巻き込まれる未来を回避するため、3人は2015年へと向かう。マーティは未来の自分の息子を助けることに成功し、ついでに「スポーツ年鑑」を手に入れるが、ドクに未来を金儲けに利用してはならないと諭され、雑誌を処分するように言われる。
しかし、年鑑を目にした1955年当時のビフがタイムマシンを使い、若き自分に雑誌を渡してしまう。結果、歴史は改変され、1985年はビフが富と権力を独占する暗黒の世界に変わってしまう。マーティは荒廃した現代を目の当たりにし、元の世界を取り戻すために再び過去へ戻る決意を固める。
マーティとドクは1955年に戻り、若いビフが年鑑を手に入れる瞬間を阻止しようと動く。その最中、マーティは1作目の出来事と並行して動くことになり、過去の自分と鉢合わせしないよう細心の注意を払いながら行動する。幾度も失敗しかけながらも、ついに年鑑を奪い返して燃やすことに成功する。これにより、未来は元通りに修正される。
ようやく事態が収束したかに見えた矢先、落雷によってドクを乗せたデロリアンが消え去ってしまう。途方に暮れるマーティのもとへ、70年前の1955年から届けられたドクの手紙が届く。そこには「自分は無事だが、今は1885年にいる」と記されており、物語は次なる時代へと続いていく。
バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3 (1990) あらすじ
ドクが1885年に取り残されたことを知ったマーティは、1955年の若きドクの協力を得て過去に向かう準備を整える。ドクの手紙に従ってタイムマシンを修理し、マーティは西部開拓時代へと旅立つ。そこで彼はビフの先祖であるタネン一族に命を狙われるが、間一髪でドクに助けられる。
二人は現代に帰還するためにデロリアンを動かす方法を模索するが、ガソリンが手に入らないため通常の方法では動かせないことが判明する。ドクは蒸気機関車を使ってデロリアンを加速させる計画を立てる。一方で、ドクは教師クララと出会い、次第に恋に落ちていく。未来に戻るべき使命と、新たな愛との間でドクは心を揺さぶられる。
しかし、計画を邪魔するタネン一族との対立が激化し、マーティは決闘に巻き込まれる。知恵と勇気を駆使して難を逃れたマーティは、ドクと共に最終的な帰還計画を実行に移す。暴走する機関車に押し出されるようにしてデロリアンは走り、マーティだけが1985年へと帰還する。だがデロリアンは着地の衝撃で大破し、タイムトラベルの終焉を迎える。
直後、ドクは未来的な機関車型のタイムマシンでクララと共に現れ、無事を知らせる。彼は「未来は自分の手でつくるものだ」とマーティに伝え、別れを告げる。こうして一連の冒険は幕を閉じ、マーティは平穏な日常へと戻っていく。
バック・トゥ・ザ・フューチャー全3部作の見どころ
キャストの魅力
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズを語る上で欠かせないのがキャストの存在感です。
主人公マーティを演じたマイケル・J・フォックスは、明るさと不器用さを併せ持つ等身大の青年像を体現し、多くの観客に共感を与えました。
また、ドク役のクリストファー・ロイドは、エネルギッシュで突拍子もない発想を繰り広げる科学者像を圧倒的な演技力で演じ切り、彼の大げさな表情や身振りはシリーズ全体のユーモアを象徴しています。
さらに、シリーズを通じて登場するビフ役のトーマス・F・ウィルソンは、単なる悪役にとどまらず、各時代やパラレルワールドで異なる人物像を演じ分けることで、物語の幅を広げました。
これら主要キャストの化学反応が、物語を単なるタイムトラベルの冒険ではなく、心に残る人間ドラマへと昇華させています。
タイムマシンの魅力
本作を象徴するアイコン的存在がタイムマシン「デロリアン」です。
もともと商業的には成功しなかった車種でしたが、独特のガルウィングドアと未来的なフォルムが映像に映えることから、映画の中で一躍伝説的存在になりました。
ステンレスのボディは時代を超える存在感を放ち、車自体が未来への扉であるかのような印象を与えます。
さらに、シリーズごとにデロリアンは改造を重ね、プルトニウムを必要とする原型から、稲妻のエネルギーや生ごみを燃料とする「ミスターフュージョン」へと進化。『PART3』では西部開拓時代に合わせた車輪や機関車との連結など、状況に応じて姿を変えるユニークさも見どころです。
ただの移動手段ではなく、観客の記憶に強烈に刻まれる“もう一人の主役”として、デロリアンは映画史に残る存在となりました。
そしてPART3では蒸気機関車型のタイムマシンまで登場。デロリアンを破壊し、タイムトラベルのストーリーに終止符を打ったとエンディングで思わせといて登場するので、まだまだ話が続くような期待が膨らむ演出なのもいい意味で憎いですね。
タイムトラベル映画としての魅力
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』はタイムトラベル映画の代名詞とも言える作品ですが、その一方で設定には数多くの矛盾が存在します。
たとえば、過去での出来事が即座に現在に反映される描写や、人物の存在自体が変わっていく過程が視覚的に示される点は科学的に正確とは言い難いものです。
また、過去を変えたことで新たな未来が生まれるという理屈と、同一人物が異なる時代に同時存在できるという描写が併存するなど、世界観には明らかな揺らぎがあります。
しかし、これらの矛盾はストーリーテリングを加速させるための演出であり、むしろ観客に「もし自分が過去を変えられたら」という空想を広げさせる要素として機能しました。
理屈よりもエンターテインメント性を優先した大胆な構造こそが、このシリーズを唯一無二のタイムトラベル映画にしています。
音楽の魅力
物語の感動を何倍にも高めているのが、音楽の力です。
アラン・シルヴェストリによるメインテーマは壮大でスケール感があり、タイムトラベルの冒険心とヒーロー的高揚感を同時に呼び起こします。その旋律はシリーズを通じて繰り返し登場し、観客に強烈な印象を与えました。
また、劇中歌として使われたヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの『The Power of Love』は、公開当時から世界的に大ヒットし、作品と切り離せない存在となっています。
ロックと映画音楽が絶妙に融合することで、マーティの若々しさや当時のカルチャーを象徴的に表現しました。
音楽が単なるBGMにとどまらず、ストーリーの推進力やキャラクターの感情を補強する役割を果たしている点も大きな魅力です。結果として、この映画は映像と音楽の両面で記憶に残る傑作となりました。
考察の魅力
公開から30年以上経った今なお、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は数多くの考察を生み出し続けています。
なぜマーティの家族があれほど大きく変わったのか、タイムパラドックスの整合性はどうなのか、など矛盾点や疑問点はファンの議論を刺激してきました。
また、製作当時の撮影秘話も考察の対象となります。
当初はマイケル・J・フォックスではなく別の俳優がマーティ役を演じていたことや、限られた予算の中で特殊効果を工夫したエピソードなど、舞台裏もファンの関心を集めています。
さらに、作中で描かれた未来予想が現実とどう交差しているかを検証する試みも盛んに行われました。
こうした多様な視点からの解釈や議論が尽きないこと自体、この作品がただの娯楽映画にとどまらず、長く愛され続ける文化的存在であることを示しています。
バック・トゥ・ザ・フューチャーの意外と知らないトリビア
バック・トゥ・ザ・フューチャーのファンなら知ってる話でも、「好きだけどファンというほどでもない」方にとっては驚くべきトリビアも多く存在します。そんな意外と知らないトリビアをいくつかご紹介いたします。
ビフ・タネンのモデルはなんとあの人
トーマス・F・ウィルソンが3部作を通して演じたビフ・タネン。
このキャラクターのモデルとなったのが、なんと現アメリカ大統領のドナルド・トランプなんです。
ドナルド・トランプは大統領になって世界的に有名になりましたが、元々は不動産王として有名な存在でした。
特にPART2に登場したビフ・タネンのカジノの形はトランプ・プラザホテルにそっくり。
ドナルド・トランプがビフ・タネンのモデルということは脚本・製作を務めたボブ・ゲイルが公式に認めているようです。
ビフ・タネンの名前の由来
ビフ・タネンの名前の由来は、映画プロデューサーのネッド・タネンから。
当時ユニバーサル・ピクチャーの社長だったネッド・タネンと監督のロバート・ゼメキスが、別の映画で脚本の打ち合わせをしていたときにそりが合わず、マーティの敵役として「タネン」を採用したそうです。
PART1は出演者が交代しまくっている
マーティ役は元々マイケル・J・フォックスが候補に挙がっていたものの、当時は海外ドラマ『ファミリータイズ』にレギュラー出演しており、映画との掛け持ちを許されなかったため断念していました。
そしてマーティ役を探すも時間がかかりすぎてしまったため、今度はジェニファー役のクローディア・ウェルズもスケジュールが合わなくなって降板。
どうにかマーティ役にエリック・ストルツを起用し、ジェニファー役にメロラ・ハーディンが起用されスタートするも、ストルツはドクとの掛け合いでの違和感などの理由から撮影開始から6週間で降板させられてしまいます。
時間も経過しているので再度マイケル・J・フォックスにオファーするため『ファミリータイズ』のプロデューサーに話を持ち掛け、ドラマを優先するという条件つきでOKをもらいます。
しかし今度はエリックだから成り立っていたものの、メロラ・ハーディンは身長が高く、マイケル・J・フォックスとではバランスが悪くなってしまい降板。
当初のジェニファー役のクローディア・ウェルズのスケジュールが調整できたため、再度登板することに。
マイケル・J・フォックスで行きたいのなら最初から待てばよかったのに…と思ってしまいますね。
エリック・ストルツは3分の1の撮影を撮り終えているのに降板させられてしまいましたが、ごく一部だけエリックの映像がそのまま流用されています。
ブルーレイ版では特典映像として一部だけ収録されているようです。
他にも、マーティ役としてラルフ・マッチオもオファーを受けていましたが断ったようですね。

またPART1でジョージ・マクフライ役を演じたクリスピン・グローヴァー、ジェニファー役のクローディア・ウェルズは共に降板。クローディア・ウェルズは家庭の事情(母親の闘病)が理由のようです。
そのためPART2、PART3はジョージ役にジェフリー・ウェイスマン、ジェニファー役にエリザベス・シューが新たに起用されました。
しかしジョージはクリスピン・グローヴァーの許可なく一部PART1の流用をしたことでひと悶着あったようですね。
PART2の冒頭はPART1の撮り直し
ジェニファー役のクローディア・ウェルズが降板し、PART2からエリザベス・シューが起用されたため、PART1のラストであり、PART2の冒頭であるシーンは撮り直しとなりました。
全く同じシーンのためセリフも一緒ですが、若干言い方が違うので気づいている方も多いのでは?
ただジェニファーが登場するシーンだけを差し替えると映像的に不自然になってしまうため、ラストシーン全体を再度撮影し直しました。結果的に『PART1』を観てからすぐ『PART2』を観た場合でも、唐突さを抑えて自然に見えるよう配慮されています。
ただ、細かく見比べるとドクのセリフのトーンやジェニファーの反応などが微妙に異なっており、ファンの間では「同じ場面の別バージョン」として語られる要素にもなりました。この点もシリーズの“考察”や“裏話”の盛り上がりにつながっています。
タイムマシンの最初の構想は車じゃなかった
脚本の段階での当初の予定では小型の冷蔵庫か、大型の洗車機かの2択だったそうです。
しかし脚本が完成していくと色々不都合があって、そんな中、車というアイデアが浮かんだそう。
映画を見た子供が真似をして冷蔵庫の中に閉じ込められてしまうことを懸念した、という話もありますが、元々の脚本では、タイムトラベルに必要なエネルギーは電力ではなく「放射線」でした。
もし過去に戻って1950年代で必要な放射線を用意するとするならば、核爆弾となってしまいます。
そこで1955年のドクは核実験場で核爆発を起こし、そこにマーティを放り込むという大胆なアイデアでした。
そりゃ不都合も出てきますよね…。
デロリアン社のDMC-12が採用された理由としては、無垢ステンレス・ボディとガルウイングドアを宇宙船と間違えるというジョークのためだそう。
宇宙から来たという理由がないとジョージはマイケルのいうことを聞きませんからね。
映画では描かれていないマーティとドクの友情のきっかけ
ボブ・ゲイルによると、マーティが高校に入る前にドクの実験室に忍び込んだのがきっかけだそうです。
ドクの人柄と発明品に魅了されたマーティと、自分の科学の才能を認めてくれたドクは嬉しくなって、以来主にアインシュタインの世話をするなどのアルバイトとするようになったんだそう。
あんな爆音でギターが弾ける環境もなかなか無いですからね。
微妙な間違いもそのまま採用
PART1にて、タイムスリップに必要な電力として1985年のドクが言い放った「1.21ジゴワット」。
これは脚本家がギガワットのスペルを間違えたせいなのは有名な話です。
他にも、PART3ではドクとクララがジュール・ヴェルヌについて語り合うシーンで「海底二万里」の話がありましたが、この作品が発表されたのは1870年で、1855年の時点では存在してなかったんですね。
また、全編通して、時計台の数字で間違いがありますがお気づきでしょうか?
ローマ数字の時計では本来「4」は「IIII」と表記されますが、「Ⅳ」が採用されています。
お手持ちの腕時計や家の掛時計がローマ数字の方はよく見てみるとわかりますが、時計では本来「4」は「IIII」とするのが一般的なんです。
理由は諸説ありますが、時計の一般的な表記方法を知らなかったのかもしれません。
チャック・ベリーとタイム・パラドックス
PART1において、1955年にタイムスリップしたマーティが、指を負傷したマーヴィン・ベリーというギタリストの代理としてダンスパーティのバンドでギターを演奏し、アンコールでチャック・ベリーの「ジョニー・B.グッド」を演奏するシーンがあります。
PART2ではマーヴィンが演奏中に「新しい音楽を探していた」という従兄弟という設定のチャック・ベリーに電話をかけ、受話器越しに演奏を聞かせています。
つまりチャック・ベリーは、未来からやってきたマーティの演奏を聴いてインスパイアされて「ジョニー・B.グッド」をリリースした、というタイム・パラドックスになってるんです。
偶然にもチャック・ベリーは1955年デビュー。マーティがいた11月は既にデビューしていましたが、「ジョニー・B.グッド」は1958年にシングルとしてリリースされています。
なんとこのシーン、最初はカットすることも検討されていたそうで、もし「アース・エンジェル」だけで終わっていたら、映画のひとつの魅力であり代名詞のひとつを失っていたことに。カットされないでよかったです。
ユニバーサルの社長は色々変更を求めた
PART1製作時、当時のユニバーサルの社長は色々な変更を求めてきました。
当初メグという名前だった母親の名前の変更、当初サルだったドクのペットを犬へ変更、ビフの苗字の変更、タイトルの変更を求めます。
ロバート・ゼメキス、ボブ・ゲイルは受け入れ、母親の名前を彼の妻のロレインに変更、ペットを犬に変更、ビフの苗字は当てつけのように社長の名前タネンに変更。
しかしタイトルだけは変更を受け入れませんでした。
社長の改題提案は「Spaceman from Pluto(冥王星から来た宇宙人)」。タイトルに「フューチャー」という単語が入ってる映画は誰も観ないという理由からだそう。
スティーブン・スピルバーグに相談すると、社長を説得。以後言ってくることはなかったそうです。
PART3で蒸気機関車をタイムマシンに出来た謎
PART3のラストで、粉々に砕け散ったデロリアンの元に来たマーティとジェニファー。
しかしそこへ、蒸気機関車をタイムマシンに改造したドクとクララが子供を連れてやってきます。
みなさん疑問に思ったはずです。「どうしてタイムマシン作れたの?」
その見解は多くありますが、公式に発表されてもいないようですし、そこはなんとなくわかっていても明確な答えがないと思っている方もいるかもしれません。
答えに近いものは、小説版にありました。
それはドクが1885年から1895年にかけて作ったと書かれています。1度のテストを行い、成功したため2035年へ行き、ホバリング機能を実装。
これはマーティが置いていったホバーボードの発電機の技術を活用しているようで、1.21ジゴワットの電力を生み出すことに成功したようです。
どうやら西部時代のドク、クララは上流階級の富裕層になっていたようで、マーティが1985年へ戻った際に利用した機関車と同じものを購入できるだけのお金を持っていたようですね。
そこに関して詳しくは触れていませんでしたが、購入した可能性があるようです。
まとめ
『バック・トゥ・ザ・フューチャー全3部作』は、80年代映画を語る上で欠かせない存在であり、マイケル・J・フォックスとクリストファー・ロイドのコンビが放つエネルギーは今なお色褪せません。
デロリアンによるタイムトラベルの設定は当時の観客を驚かせ、シリーズを象徴するアイコンとなりました。家族の運命や友情、未来と過去を行き来する物語の展開は、娯楽性とテーマ性を兼ね備えています。
さらにアラン・シルヴェストリの音楽がシーンを盛り上げ、視覚と聴覚の両面から強烈な印象を残します。
今でも多くの人に語られる理由が随所に詰まった、映画史に残る3部作です。
出典・参考・関連リンク
- Back to the Future (1985) – IMDb
- Back to the Future – Wikipedia
- バック・トゥ・ザ・フューチャー – Wikipedia
- Back to the Future Part II (1989) – IMDb
- Back to the Future Part II – Wikipedia
- バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2 – Wikipedia
- Back to the Future Part III (1990) – IMDb
- Back to the Future Part III – Wikipedia
- バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3 – Wikipedia
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